商品名(製造・販売会社)
- カルセド(大日本住友製薬→日本化薬へ販売移管)
アントラサイクリン系の抗がん剤としては、世界で初めて完全合成で製造された薬です。DNAの螺旋構造の間に入り込み、トポイソメラーゼⅡのはたらきを抑制してDNAを切断し、がん細胞の増殖を抑えます。
適応となるがん
小細胞肺がん、非小細胞肺がんの治療に用いられます。小細胞肺がんへの単独投与で奏効率約75%という臨床試験結果があります。一方、非小細胞肺がんは抗がん剤に対する感受性が低いため、他剤との併用療法が行われます。
主な副作用
最も注意が必要なのは骨髄抑制で、敗血症などを合併して死亡した例も報告されています。また、間質性肺炎や胃・十二指腸潰瘍を起こすこともあります。
一般的な副作用としては食欲不振や吐き気・嘔吐、脱毛の頻度が高く、半数以上でみられます。そのほか、不整脈、発熱、肝機能の低下などがみられるケースもあります。
使用上の注意点
これまでに胸部への放射線照射、およびアントラサイクリン系のほかの抗がん剤による治療を行ったことがある場合、心臓障害を増強するおそれがあります。