その他
0.1%未満
舌のしびれ感
その他の副作用の注意
注)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。副作用が発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[一般に高齢者では生理機能が低下している。]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦等
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。]
2.
授乳婦
授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させること。[ラットにおいて乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験が少ない。)
適用上の注意
1.
調製時
現在までに下記に示す注射液との配合変化を起こすことが確認されているので、混合しないこと。
D-マンニトール注射液、ルネトロン注射液、ラシックス注
なお、ラシックス注については、フロセミド20mgを含むラシックス注に生理食塩液200mLを加え本剤1アンプルと混合する場合には差し支えない。
2.
アンプルカット時
本品は、ワンポイントカットアンプルであるが、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
薬物動態
吸収・代謝・排泄
*健康成人に0.1~0.8mgを静脈内投与したときの血漿中未変化体濃度は二相性を示して低下し、β相の半減期は約5時間であった。AUCは投与量に比例し、体内動態は線形性を示した。投与後24時間までの未変化体の尿中排泄率は投与量の16~22%であった1)。
尿中には未変化体のほかに代謝物として脱メチル体、水酸化体及びその抱合体が存在した。健康成人に反復投与したとき、体内動態の変化はなく、蓄積性は認められなかった。
in vitro代謝試験において、ラモセトロン塩酸塩の一次代謝には肝臓の薬物代謝酵素CYP1A1、CYP1A2及びCYP2D6が関与することが示されており2)、ヒトにおける本剤の一次代謝にはCYP1A2及びCYP2D6が関与していると考えられる。
薬物動態の表
<健康成人に静脈内投与したときの薬動力学パラメータ>
投与量 |
t1/2β(h) |
AUC0-∞(ng・h/mL) |
CLtot(L/h/kg) |
Vdss(L/kg) |
0.2mg |
4.33 |
9.86 |
0.30 |
1.69 |
0.4mg |
5.78 |
24.95 |
0.27 |
2.11 |
0.8mg |
5.44 |
41.64 |
0.29 |
2.07 |
(注)本剤の承認された1日用量は、最大0.6mgである。
<健康成人と腫瘍患者の薬動力学パラメータ>3)
|
C15分(ng/mL) |
t1/2β(h) |
AUC0-4h(ng・h/mL) |
血漿蛋白結合率(%) |
健康成人 |
2.42 |
5.78 |
6.57 |
91.2 |
腫瘍患者 |
4.97 |
9.02 |
12.49 |
85.9 |
(ラモセトロン塩酸塩0.3mg投与時)
臨床成績
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与により発現した悪心、嘔吐に対して国内延べ121施設、357例を対象として二重盲検比較試験及び一般臨床試験を行った。臨床成績の概要は以下のとおりである3)~9)。
なお、シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与により発現した悪心、嘔吐を対象としたプラセボとの二重盲検比較試験により、本剤の有用性が確認されている。
臨床成績の表
投与量 |
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与により発現した悪心、嘔吐に対する有効率 |
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に先立って投与した場合の有効率 |
0.3mg |
79.8%(178/223例) |
85.1%(40/47例) |
薬効薬理
1.
薬理作用
(1)
5-HT3受容体拮抗作用
セロトニンによるモルモット摘出結腸収縮10)並びにラット11)及びフェレット12)徐脈反射(ベツォルト-ヤーリッシュ反射)の実験において5-HT3受容体拮抗作用を示した。
(2)
抗悪性腫瘍剤誘発嘔吐抑制作用
シスプラチン投与により誘発されるフェレットの嘔吐に対して、嘔吐発現前又は初回嘔吐発現後の投与において抑制作用を示した13)。
2.
作用機序
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤は消化管の腸クロム親和性細胞からセロトニンを遊離させる。このセロトニンが消化管粘膜内求心性迷走神経終末に存在する5-HT3受容体に結合し、その刺激が嘔吐中枢を経て嘔吐を誘発させる。ラモセトロン塩酸塩はこの5-HT3受容体を遮断することにより制吐作用を発現するものと考えられる。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ラモセトロン塩酸塩(Ramosetron Hydrochloride)
化学名
(-)-(R )-5-[(1-Methyl-1H -indol-3-yl)carbonyl]-4,5,6,7-tetrahydro-1H -benzimidazole monohydrochloride
分子式
C17H17N3O・HCl
分子量
315.80
構造式
性状
ラモセトロン塩酸塩は白色~微帯黄白色の結晶性の粉末である。水又はメタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。吸湿性である。光によって変化する。
包装
0.3mg/2mL:5管
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
中島光好 他:臨床と研究 71(9):2461,1994 [NA-065]
2)
社内報告書(ヒト肝ミクロソーム・代謝)(DIR050011)
3)
上田昭一 他:西日本泌尿器科 56(11):1445,1994 [NA-071]
4)
野田起一郎 他:臨床と研究 71(10):2753,1994 [NA-067]
5)
野田起一郎 他:臨床と研究 71(10):2765,1994 [NA-068]
6)
野田起一郎 他:新薬と臨床 43(11):2241,1994 [NA-00285]
7)
武谷雄二 他:産科と婦人科 61(12):1759,1994 [NA-00275]
8)
武谷雄二 他:産婦人科の世界 46(12):965,1994 [NA-00276]
9)
森昌造 他:臨床成人病 24(12):2257,1994 [NA-072]
10)
Miyata,K.et al.:J.Pharmacol.Exp.Ther. 259:15,1991 [NA-033]
11)
Miyata,K.et al.:J.Pharmacol.Exp.Ther. 259(2):815,1991 [NA-00196]
12)
藤原明 他:基礎と臨床 28(8):2329,1994 [NA-035]
13)
藤原明 他:基礎と臨床 28(8):2337,1994 [NA-039]
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
主要文献に記載の社内報告書につきましても下記にご請求下さい。
アステラス製薬株式会社 営業本部DIセンター
〒103-8411 東京都中央区日本橋本町2丁目3番11号
0120-189-371
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売
アステラス製薬株式会社
東京都板橋区蓮根3丁目17番1号