LOW MOLECULAR DEXTRAN D INJECTION 低分子右旋糖酐D注射液,低分子デキストラン糖注 -------------------------------------------------------------------------------- 作成又は改訂年月
** 2011年4月改訂(_部、第5版)
* 2009年7月改訂
日本標準商品分類番号
87 3319
日本標準商品分類番号等
- 再評価結果公表年月(最新)
1979年7月
薬効分類名
血流改善・体外循環灌流液(ブドウ糖加デキストラン40注射液)
承認等
- 販売名
低分子デキストラン糖注
販売名コード
3319505A2020
承認・許可番号
- 承認番号
14500AMZ02165
- 商標名
LOW MOLECULAR DEXTRAN D INJECTION
薬価基準収載年月
1988年7月
販売開始年月
1989年1月
貯法・使用期限等
- 貯法:
取扱い上の注意の項参照
- 使用期限:
容器に表示の使用期限内に使用すること。
- 使用時及び保管:
取扱い上の注意の項参照
規制区分
- 処方せん医薬品注)
注)注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
- 本剤は1容器(500mL)中に次の成分を含有する注射液である。
- デキストラン40
50g
- ブドウ糖
25g
性状
- 本剤は、無色~微黄色澄明の注射液である。
- pH
約4.5(製造直後の平均実測値)
3.5 ~ 6.5(規格値)
- 浸透圧比
約1(生理食塩液に対する比)
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1. 低張性脱水症の患者[本症はナトリウムの欠乏により血清の浸透圧が低張になることによって起こる。このような患者に本剤を投与すると、水分量を増加させることになり、症状が悪化するおそれがある。]
- 2. うっ血性心不全のある患者[循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。]
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効能又は効果
出血及びこれにより生じるショックの治療
手術時における輸血の節減
血栓症の予防及び治療
外傷・熱傷・骨折等及び重症ショック時の末梢血行改善
体外循環灌流液として用い、灌流を容易にして手術中の併発症の危険を減少する。
用法及び用量
通常成人1回500mLを静脈内注射する。 最初の24時間の投与量は20mL/kg以下とする。 血栓症の予防及び治療として連続投与するときは、1日10mL/kg以下とし、5日以内とする。 体外循環灌流液としては、10~20mL/kgを注入する。 ただし、注入量は20mL/kg以下とする。 なお、投与量、投与速度は年齢、体重、症状に応じて適宜増減する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
長期連用を避けること(できるだけ短期投与にとどめ、5日以内とする)。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
- 1. 腎障害のある患者[腎障害が悪化するおそれがある。]
- 2. 脱水状態の患者[腎機能障害発現の誘因となるおそれがある。]
- 3. 肺水腫の患者[水分が肺細胞間質に滞留し、肺水腫が悪化するおそれがある。]
- 4. 低フィブリノーゲン血症、血小板減少症等の出血傾向のある患者[凝固系を抑制して出血傾向を促進するおそれがある。]
- 5. 糖尿病の患者[ブドウ糖の組織への移行が抑制されているので、高血糖を生じ症状が悪化するおそれがある。]
- 6. カリウム欠乏傾向のある患者[ブドウ糖の投与によりカリウムが細胞内に移行し、一時的に血清カリウム値が低下し、症状が悪化するおそれがある。]
- 7. 尿崩症の患者[本症では適切な水分、電解質管理が必要であり、本剤の投与により電解質等に影響を与え、症状が悪化するおそれがある。]
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
- 薬剤名等
腎障害を起こすおそれのあるアミノ糖系抗生物質(カナマイシン、ゲンタマイシン等) - 臨床症状・措置方法
乏尿など腎に異常が認められた場合には、投与を中止し、持続的血液濾過透析法、血漿交換、血液透析等の適切な処置を行うこと。
- 機序・危険因子
これら抗生物質の腎毒性を増強することがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1. ショック
(頻度不明):
ショック症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、血圧降下、脈拍の異常、呼吸抑制等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、対症療法を行うこと(第一次再評価結果その16、1979年)。
2. 急性腎不全
(頻度不明):
急性腎不全があらわれることがあるので、乏尿など異常が認められた場合には投与を中止し、持続的血液濾過透析法、血漿交換、血液透析等の適切な処置を行うこと(第一次再評価結果その16、1979年)。
3. 過敏症
(頻度不明):
アナフィラキシー等の過敏症状があらわれた場合には投与を中止し、対症療法を行うこと(自主改訂、1993年)。
その他の副作用
- 血液(大量投与又は連用)
(頻度不明)
出血時間延長又は出血傾向
- 胃腸
(頻度不明)
悪心・嘔吐等
- 皮膚
(頻度不明)
じん麻疹
- 大量・急速投与
(頻度不明)
電解質喪失
(第一次再評価結果その16、1979年)
その他の副作用の注意
副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。
臨床検査結果に及ぼす影響
血液型判定又は交叉試験を妨害することがあるので、これらの試験を行う必要がある場合には、本剤の投与前に実施することが望ましい。
適用上の注意
- 1. 投与経路:
皮下投与しないこと。
- 2. 投与前:
- (1) 保存中の温度変化による局部的濃縮のため、まれに不溶性デキストランを析出することがある(鱗片状又は凝縮物)。このような場合には使用しないこと。
- (2) 投与に際しては、感染に対する配慮をすること(患者の皮膚や器具消毒)。
- (3) 寒冷期には体温程度に温めて使用すること。
- (4) 開封後直ちに使用し、残液は決して使用しないこと。
薬効薬理
- 1. 末梢循環血流改善作用
- (1) 赤血球凝集解離作用
ヒト赤血球を用いたin vitroの実験で、デキストラン40は赤血球表面の負電荷を増強し、赤血球凝集解離作用を示した1)。 また、デキストラン40はウサギの肝臓に形成した血管内赤血球凝集を解離し、末梢血流を改善した2)。
- (2) 血液粘度低下作用
デキストラン40は、術後ショック患者の血液粘度を低下させた3)。
- 2. 血圧維持効果
脱血成犬に本剤を投与した結果、血圧、心拍数、股動脈血流量の改善維持効果が認められた4)。
- 3. 血栓予防効果
通電法により両大腿動脈血栓を作成したヒツジを用いた実験で、デキストラン40は優れた血栓予防及び溶解効果を示した5)。
有効成分に関する理化学的知見
- 一般名:
デキストラン40
- 分子量:
約40,000(平均分子量)
- 構造式:
- 性状:
白色の無晶性の粉末で、におい及び味はない。エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。水に徐々に溶解する。吸湿性である。
取扱い上の注意
- 1. 安定性試験
最終包装製品を用いた長期保存試験(室温、3 年間)の結果、本剤は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された6)。 - 2. 保存中の温度変化による局部的濃縮のため、まれに不溶性デキストランを析出することがある(鱗片状又は凝縮物)。
- 3. 不溶性デキストランの析出を認めた場合、これを使用しないこと。
- 4.このような事例の発生を防止するため、下記の「貯法」の項を参照して保存すること。
- 5. 注射針はゴム栓の○印にまっすぐ刺すこと。斜めに刺すと注射針が容器頸部を貫通し、液漏れの原因となることがある。
- 6. ソフトバッグ製品は、原則として連結管を用いたタンデム方式による投与はできない。
- 7. 包装内に水滴が認められるものや内容液が着色又は混濁しているものは使用しないこと。
- 8. 容器の液目盛りはおよその目安として使用すること。
貯法(保存条件):
室温保存。ただし、不溶性デキストランの析出を防止するため、次の点に留意する。
- (1) 温度変化の少ない場所で保存すること。例えばクーラーの吹き出し口付近等、温度変化の著しい場所での保存は避けること。
- (2) 不溶性デキストランの析出は、ゴム栓とソフトバッグ容器内壁との接触溝付近で発生しやすいため7)、横積み状態での保存に努めること。
- (3) 温度変化の影響を少なくするため、ソフトバッグを包んでいる外袋は開封しないことが望ましい。
包装
低分子デキストラン糖注 500mL 20 袋 ソフトバッグ入り
主要文献及び文献請求先
主要文献
- 1) 青地 修,他:麻酔 1966;15(12):1308-1313
- 2) Gelin,L.E.,et al.:Surgery 1961;49:713-718
- 3) Yao,S.T.,et al.:Ann.Surg. 1966;164:973-984
- 4) 上山英明,他:新薬と臨床 1976;25(1):125-137
- 5) Hunt,P.S.,et al.:Med.J.Aust. 1967;1:539-541
- 6) 品質統括部:社内資料(安定性試験)
- 7) 中島徳保,他:薬学雑誌 1975;95(6):749-752
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
**株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター
**〒101‐ 048 東京都千代田区神田司町2‐2
**TEL:0120-719-814
**FAX:03‐5296‐8400
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
販売提携
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9
製造販売元
株式会社大塚製薬工場
徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115 |