作成又は改訂年月
**2011年4月改訂(第9版)
*2009年10月改訂
日本標準商品分類番号
873999
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)
1993年9月
ミラクリッド(凍結乾燥製剤)としての再審査結果
薬効分類名
多価・酵素阻害剤
承認等
販売名
ミラクリッド注射液2万5千単位
販売名コード
3999405A1038
承認・許可番号
承認番号
21900AMX00748000
商標名
MIRACLID 25,000 units for Inj.
薬価基準収載年月
2007年6月
販売開始年月
1994年7月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
直接容器及び外箱に表示
*規制区分
生物由来製品
処方せん医薬品
注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
本剤は1管中に下記成分を含む。(組成の表参照)
製剤の性状
本剤は無色~淡褐色澄明な水性注射液で、pH 及び浸透圧比は次のとおりである。 pH:4.8~5.8 浸透圧比:約1(生理食塩液に対する比)
組成の表
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成分 |
含量 |
備考 |
有効成分 |
日局 ウリナスタチン |
25,000単位 (0.5mL) |
ヒト尿由来 |
添加物 |
塩化ナトリウム |
3.9175mg |
|
添加物 |
酢酸ナトリウム水和物 |
0.9705mg |
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添加物 |
氷酢酸 |
0.1715mg |
|
販売名
ミラクリッド注射液5万単位
販売名コード
3999405A2077
承認・許可番号
承認番号
21900AMX00749000
商標名
MIRACLID 50,000 units for Inj.
薬価基準収載年月
2007年6月
販売開始年月
1994年7月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
直接容器及び外箱に表示
*規制区分
生物由来製品
処方せん医薬品
注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
本剤は1管中に下記成分を含む。(組成の表参照)
製剤の性状
本剤は無色~淡褐色澄明な水性注射液で、pH 及び浸透圧比は次のとおりである。 pH:4.8~5.8 浸透圧比:約1(生理食塩液に対する比)
組成の表
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成分 |
含量 |
備考 |
有効成分 |
日局 ウリナスタチン |
50,000単位(1.0mL) |
ヒト尿由来 |
添加物 |
塩化ナトリウム |
7.835mg |
|
添加物 |
酢酸ナトリウム水和物 |
1.941mg |
|
添加物 |
氷酢酸 |
0.343mg |
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販売名
ミラクリッド注射液10万単位
販売名コード
3999405A3073
承認・許可番号
承認番号
21900AMX00750000
商標名
MIRACLID 100,000 units for Inj.
薬価基準収載年月
2007年6月
販売開始年月
1994年7月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
直接容器及び外箱に表示
*規制区分
生物由来製品
処方せん医薬品
注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
本剤は1管中に下記成分を含む。(組成の表参照)
製剤の性状
本剤は無色~淡褐色澄明な水性注射液で、pH 及び浸透圧比は次のとおりである。 pH:4.8~5.8 浸透圧比:約1(生理食塩液に対する比)
組成の表
|
成分 |
含量 |
備考 |
有効成分 |
日局 ウリナスタチン |
100,000単位 (2.0mL) |
ヒト尿由来 |
添加物 |
塩化ナトリウム |
15.670mg |
|
添加物 |
酢酸ナトリウム水和物 |
3.882mg |
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添加物 |
氷酢酸 |
0.686mg |
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販売名
ミラクリッド
販売名コード
25,000単位
3999405D1026
50,000単位
3999405D2022
100,000単位
3999405D3029
承認・許可番号
承認番号
(60AM)第588号
商標名
MIRACLID
薬価基準収載年月
1985年7月
販売開始年月
1985年8月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
直接容器及び外箱に表示
*規制区分
生物由来製品
処方せん医薬品
注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
本剤は1バイアル中に下記成分を含む。(組成の表参照)
製剤の性状
本剤は白色~淡褐色の凍結乾燥製剤で、蒸留水に溶かした溶液(50,000単位/mL)のpH 及び浸透圧比は次のとおりである。 pH:6.0~7.5 浸透圧比:約1(生理食塩液に対する比)
組成の表
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成分 |
含量 |
含量 |
含量 |
備考 |
有効成分 |
日局 ウリナスタチン |
25,000単位 |
50,000単位 |
100,000単位 |
ヒト尿由来 |
添加物 |
L-アルギニン塩酸塩 |
10mg |
20mg |
40mg |
|
添加物 |
塩化ナトリウム |
2.25mg |
4.5mg |
9mg |
|
一般的名称
ウリナスタチン
警告
本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において、患者の状態を観察しながら行うこと。
|
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
ウリナスタチン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
|
効能・効果/用法・用量
【ミラクリッド注射液】効能・効果急性膵炎(外傷性、術後及びERCP後の急性膵炎を含む) 慢性再発性膵炎の急性増悪期
用法・用量通常、成人には初期投与量として1回25,000~50,000単位を500mLの輸液で希釈し、1回当たり1~2時間かけて1日1~3回点滴静注する。以後は症状の消退に応じ減量する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
【ミラクリッド注射液】効能・効果急性循環不全(出血性ショック、細菌性ショック、外傷性ショック、熱傷性ショック)
用法・用量通常、成人には1回100,000単位を500mLの輸液で希釈し、1回当たり1~2時間かけて1日1~3回点滴静注するか、又は、1回100,000単位を1日1~3回緩徐に静注する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
【ミラクリッド(凍結乾燥製剤)】効能・効果急性膵炎(外傷性、術後及びERCP後の急性膵炎を含む) 慢性再発性膵炎の急性増悪期
用法・用量通常、成人には初期投与量として1回25,000~50,000単位を500mLの輸液に溶かし、1回当たり1~2時間かけて1日1~3回点滴静注する。以後は症状の消退に応じ減量する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
【ミラクリッド(凍結乾燥製剤)】効能・効果急性循環不全(出血性ショック、細菌性ショック、外傷性ショック、熱傷性ショック)
用法・用量通常、成人には1回100,000単位を500mLの輸液に溶かし、1回当たり1~2時間かけて1日1~3回点滴静注するか、又は1回100,000単位を2mLの輸液に溶かし、1日1~3回緩徐に静注する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
薬物過敏症又はその既往歴のある患者
2.
過敏性素因患者
3.
過去にウリナスタチン製剤の投与を受けた患者[過敏症があらわれることがある。]
重要な基本的注意
本剤を急性循環不全に用いる場合には、次の点に十分留意すること。
(1)
本剤の投与は一般的なショックの治療法(輸液療法、酸素吸入、外科的処置、抗菌剤等)に代わるものではない。
(2)
ショック症状が改善すれば、投与を中止すること。
副作用
総症例8,710例中、74例(0.8%)に副作用が認められている。その主なものはAST(GOT)・ALT(GPT)の上昇等の肝機能検査値の異常(0.4%)、白血球減少等の血液検査値の異常(0.2%)、発疹、そう痒感等の過敏症状(0.1%)、下痢等の消化器症状(0.1%)、血管痛等の注射部位の異常(0.1%)であった。(ミラクリッド(凍結乾燥製剤)再審査終了時)
重大な副作用
1.
ショック、アナフィラキシーショック(頻度不明)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、血圧降下、頻脈、胸内苦悶、呼吸困難、皮膚の潮紅、蕁麻疹等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.
白血球減少(頻度不明)があらわれることがあるので、定期的に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
血液
0.1~5%未満
白血球減少
血液
0.1%未満
好酸球増多
肝臓
0.1~5%未満
AST(GOT)・ALT(GPT)の上昇等
過敏症注)
0.1~5%未満
発疹
過敏症注)
0.1%未満
そう痒感
消化器
0.1%未満
悪心・嘔吐、下痢等
注射部位
0.1%未満
血管痛、発赤、そう痒感
その他
0.1%未満
発熱
注) このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦・産婦・授乳婦等への投与
1.
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
2.
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。 [動物実験(ラット)において乳汁中への移行を示唆する結果が報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
適用上の注意
ミラクリッド注射液
(1)
調製時:本剤とガベキサートメシル酸塩製剤あるいはグロブリン製剤との混注は避けること。
(2)
その他:アンプルカット時の異物混入を避けるため、アンプルのカット部分をエタノール綿等で清拭しカットすること。
ミラクリッド(凍結乾燥製剤) 調製時
(1)
本剤は溶解後、速やかに使用すること。
(2)
本剤とガベキサートメシル酸塩製剤あるいはグロブリン製剤との混注は避けること。
薬物動態
ミラクリッド(凍結乾燥製剤)データ
健常成人男子に本剤30万単位/10mLを静脈内投与すると、血中濃度は3時間までほぼ直線的に低下し、消失半減期は約40分であった1)。また、投与後6時間までに投与量の約24%が尿中に排泄された。 (注)本剤の承認された1回用量は、静脈内投与の場合、10万単位までである。
臨床成績
ミラクリッド(凍結乾燥製剤)データ
(1)
本剤は急性膵炎及び慢性再発性膵炎の急性増悪期の患者における上腹部痛、悪心・嘔吐、圧痛、抵抗、腫瘤、腹膜炎症状、ショック症状などの自他覚症状を改善し、白血球数、アミラーゼ、AST(GOT)、ALT(GPT)などの臨床検査値の異常値を改善した1~6)。急性膵炎及び慢性再発性膵炎の急性増悪期に対する有効率は83.9%(183/218)であった。
(2)
第二相試験における急性循環不全に対する有効率は82.5%(47/57)で、ショック患者における収縮期血圧、脈拍数、Base Excess、尿量、意識状態などの異常を改善した7)。
(3)
ショック患者を対象としたアプロチニン(60万単位/日×3日)と本剤(30万単位/日×3日)との二重盲検試験において、本剤の有用率は71.7%(43/60)で、アプロチニンに比し有意に優っていた(p<0.01)8)。
薬効薬理
1.
各種酵素に対する阻害作用(in vitro)9)
本剤はトリプシン、α-キモトリプシン、エラスターゼ等の蛋白分解酵素を阻害する。また、ヒアルロニダーゼ、リパーゼ等の糖・脂質分解酵素をも阻害する。
2.
膵酵素に対する阻害作用(in vitro)9,10)
本剤はトリプシンあるいはフォスフォリパーゼA2刺激によりイヌ膵切片から遊離する種々の膵酵素を阻害する。
3.
実験的急性膵炎に対する作用9,10)
(1)
トリプシン含有タウロコール酸ナトリウム水溶液を主膵管に注入してトリプシン膵炎を惹起させたイヌ及びラットに本剤を静脈内投与したところ、生存率は有意に上昇した。
(2)
フォスフォリパーゼA2含有タウロコール酸ナトリウム水溶液を主膵管に注入してフォスフォリパーゼA2膵炎を惹起させたイヌに本剤を静脈内投与したところ、生存率は有意に上昇した。
(3)
十二指腸ループを作製して、十二指腸液逆流膵炎を惹起させたラットに本剤を静脈内投与したところ、生存率は有意に上昇した。
4.
実験的ショックに対する作用11,12)
(1)
熱傷性ショックのマウスに本剤を静脈内投与したところ、生存率は有意に上昇した。
(2)
外傷性ショックのラットに本剤を静脈内投与したところ、生存率は有意に上昇した。
(3)
エンドトキシンショックのマウスに本剤を静脈内投与したところ、生存率は有意に上昇した。
(4)
出血性ショックのラットに本剤を静脈内投与したところ、生存時間は有意に延長した。
(5)
アナフィラキシーショックのマウスに本剤を静脈内投与したところ、生存率は有意に上昇した。
5.
ライソゾームに対する作用12)
(1)
In vitroの実験で、本剤は分離したラット肝ライソゾーム膜を安定化させた。
(2)
出血性ショックのラットに本剤を静脈内投与したところ、ライソゾームの空胞化、膜破壊及び膜破壊による酸性フォスファターゼの放出が抑制されたことからライソゾーム膜安定化作用が示唆された。
6.
体外循環時の血中酵素に対する作用13)
本剤はヒトにおける体外循環時のAST(GOT)及びライソゾーム酵素(cathepsin-D、β-glucuronidase)活性の上昇を有意に抑制した。
7.
心筋抑制因子(MDF)産生抑制作用12)
本剤はショックにより惹起されるMDFの産生を有意に抑制した(ラット)。
8.
ショック時の循環動態に対する作用14~16)
出血性ショックのイヌ及びエンドトキシンショックのイヌに本剤を静脈内投与したところ、低下した平均動脈血圧、心係数、大動脈血流量、腎血流量等は増加した。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ウリナスタチン(ulinastatin)
分子量
約67,000
性状
ウリナスタチン液は淡褐色~褐色の澄明な液である。
包装
ミラクリッド注射液25,000単位(0.5mL):10管
ミラクリッド注射液50,000単位(1.0mL):10管、30管
ミラクリッド注射液100,000単位(2.0mL):10管
ミラクリッド(凍結乾燥製剤)25,000単位:10バイアル
ミラクリッド(凍結乾燥製剤)50,000単位:10バイアル
ミラクリッド(凍結乾燥製剤)100,000単位:10バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
竹内節夫 他:臨床と研究 62(2),278~282(1985)
2)
本庄一夫 他:臨床と研究 61(6),227~232(1984)
3)
佐藤寿雄 他:臨床と研究 61(7),233~238(1984)
4)
石井兼央 他:新薬と臨床 33(1),23~32(1984)
5)
安部宗顕 他:診断と治療 72(12),170~173(1984)
6)
本間達二 他:基礎と臨床 17(12),259~263(1983)
7)
玉熊正悦 他:救急医学 8(5),619~624(1984)
8)
山村秀夫 他:医学のあゆみ 129(10),730~738(1984)
9)
大西治夫 他:日薬理誌 81,235~244(1983)
10)
Ohnishi, H. et al.:Dig. Dis. Sci. 29(1),26~32(1984)
11)
Ohnishi, H. et al.:Jpn. J. Pharmacol. 39,137~144(1985)
12)
小田利通 他:麻酔 33(2),137~142(1984)
13)
小川 龍 他:臨床麻酔 8(4),435~439(1984)
14)
矢尾光憲,尾山 力 他:麻酔 31(12),1325~1332(1982)
15)
石原弘規,尾山 力 他:“エンドトキシンの基礎と臨床;第4回 エンドトキシン臨床研究記録” p213~218(羊土社)1983
16)
宮原 孝:麻酔 32(8),943~955(1983)
**文献請求先・製品情報お問い合わせ先
持田製薬株式会社 学術
東京都新宿区四谷1丁目7番地 〒160-8515
TEL 03-5229-3906 0120-189-522
FAX 03-5229-3955
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
持田製薬株式会社
東京都新宿区四谷1丁目7番地〒160-8515
電話(03)3358-7211(代)
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