6. その他
頻度不明
血小板減少
注)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕
小児等への投与
小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
適用上の注意
薬剤交付時(カプセル)
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
薬物動態
1.
*血中濃度
健康成人男子12名に本剤3カプセル、又は細粒1.5g(テプレノンとして150mg
注))をクロスオーバー法で食後単回経口投与したときのテプレノン平均血清中濃度推移を下図に示した。また、カプセル及び細粒投与時における最高血清中濃度(C
max)、血清中濃度-時間曲線下面積(AUC
0-32)を以下に示した。なお、両剤形のC
max及びAUC
0-32に有意な差は認められなかった。
注)150mg単回経口投与は承認外用量である。
2.
食事効果
健康成人男子(18名)に本剤3カプセル(テプレノンとして150mg
注))をクロスオーバー法で食後30分、1時間及び3時間に経口投与し、血漿中濃度を測定し、下図及び下表に示した。血漿中濃度曲線下面積(AUC)は食後30分投与を100%とすると、食後1時間投与では変化なく、食後3時間投与では約23%低下した。
1) 注)150mg単回経口投与は承認外用量である。
薬物動態の表
*テプレノン150mg注)の単回経口投与時の薬物動態パラメータ
剤 形 |
AUC0-32 (μg・hr/mL) |
Cmax (μg/mL) |
カプセル50mg(3カプセル) 細粒10%(1.5g) |
7.831±0.822 7.055±0.657 |
2.195±0.312 1.919±0.253 |
(Mean±S. E., n=12)
注)150mg単回経口投与は承認外用量である。
テプレノンの薬物動態パラメータ
|
AUC0-24 (μg・hr/mL) |
Cmax (μg/mL) |
tmax (hr) |
食後30分 食後1時間 食後3時間 |
4.768±1.368 4.858±1.434 3.671±1.296 |
2.087±1.041 2.274±0.930 1.562±0.852 |
5.4±0.5 5.1±0.6 4.3±0.9 |
(Mean±S. D., n=18)
臨床成績
臨床効果
(1)
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期を対象とした二重盲検比較試験において、本剤の有用性が認められた。本剤の胃炎に対する全体的な有効率は68.6%(448/653)であった。2)
(2)
胃潰瘍に対する本剤の有効率は81.0%(438/541)であった。また二重盲検比較試験において高齢者の潰瘍、大型潰瘍及び再発潰瘍などの潰瘍症例に対して、有用性が認められた。3)
薬効薬理
1.
抗潰瘍作用
ラットを用いた各種実験潰瘍(寒冷拘束ストレス、インドメタシン、アスピリン、プレドニゾロン、レセルピン、酢酸、焼灼、アスピリン-寒冷拘束ストレス)、各種実験胃粘膜病変(塩酸、アスピリン、エタノール、放射線)で、それぞれに強い抗潰瘍作用、胃粘膜病変改善作用が確認されている。4) 5) 6) 7)
更に、ラットを用いた実験で、活性酸素が関与していると考えられるcompound48/80、血小板活性化因子(PAF)による胃粘膜障害を抑制することも確認されている。8) 9)
2.
胃粘液増加作用
ラット由来の培養胃粘膜上皮細胞において粘液の合成・分泌を促進する。10)
ラットにおいて粘液を分泌する表層粘液細胞、頸細胞に分布し、これら由来の粘液量を増加させる。11) 12)
ラットにおいて胃粘膜の再生・防御の主要因子である高分子糖蛋白、モルモットにおいてリン脂質の生合成酵素活性を高め、ラット及びヒトにおいてこれらの合成・分泌を促進する。13) 14) 15) 16)
更に胃粘液中へ重炭酸塩の分泌を高めることもラット、ウサギで確認されている。17)
3.
熱ショック蛋白(HSP)誘導による細胞保護作用
モルモットにおいて、胃粘膜細胞内のHSP60、70、90を誘導し、細胞保護作用を示すことが確認されている。18)
4.
胃粘膜プロスタグランジン増加作用
ラットにおいて胃粘膜プロスタグランジンE2,I2含量を増加させる。その機序としてはプロスタグランジン生合成酵素活性を高めることがラットで確認されている。19) 20)
5.
胃粘膜血流増加並びに改善作用
ヒトにおいて胃粘膜血流を増加させる。ラットにおいて水浸拘束ストレスによる胃粘膜血流の低下を改善する。21) 22)
6.
胃粘膜保護作用
ラットにおいてエタノールによる胃粘膜障害を抑制する。23)
健康成人男子においてエタノール負荷による胃粘膜障害を抑制する。24)
7.
胃粘膜増殖帯細胞の恒常性維持作用
マウスにおいてハイドロコーチゾンによる胃粘膜増殖帯細胞の増殖能の低下を改善し、胃粘膜細胞増殖帯の恒常性を保つ。25)
ラット酢酸潰瘍において胃粘膜新生能を賦活して欠損胃粘膜の修復を促進する。26)
8.
脂質過酸化抑制作用
ラットにおいて熱傷ストレス負荷による胃粘膜障害を抑制すると同時に胃粘膜中の過酸化脂質の増加を抑制する。27)
有効成分に関する理化学的知見
一 般 名
テプレノン(Teprenone)
化 学 名
3:2(5E, 5Z)geometrical mixture of(9E, 13E)‐6, 10, 14, 18‐ etramethyl‐5, 9, 13, 17‐
onadecatetraen‐2‐one
分 子 式
C23H38O
分 子 量
330.55
構 造 式
物理化学的性状
テプレノンは無色~微黄色澄明の油状の液で、わずかに特異なにおいがあり、味はない。
本品はメタノール、エタノール(95)、アセトン、クロロホルム又はヘキサンに混和し、水にほとんど溶けない。
本品は空気によって変化する。
屈 折 率
n20D:1.485~1.491
比 重
d2020:0.882~0.890
取扱い上の注意
細粒剤は、合成ケイ酸アルミニウムとの配合により、次第に黄変し、含量が低下するので配合剤とせず、組み合わせ剤とすること。
包装
セルベックスカプセル50mg:100カプセル(PTP)
セルベックスカプセル50mg:210カプセル(PTP21C×10)
セルベックスカプセル50mg:500カプセル(バラ)
セルベックスカプセル50mg:1,000カプセル(PTP)
セルベックスカプセル50mg:1,050カプセル(PTP21C×50)
セルベックスカプセル50mg:3,000カプセル(PTP・バラ)
セルベックスカプセル50mg:3,150カプセル(PTP21C×150)
セルベックス細粒10%:100g
セルベックス細粒10%:105g(分包0.5g×3×70)
セルベックス細粒10%:500g
セルベックス細粒10%:630g(分包0.5g×3×420)
セルベックス細粒10%:1kg
セルベックス細粒10%:3kg
セルベックス細粒10%:3.15kg(分包0.5g×3×2,100)
セルベックス細粒10%:5kg
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
長谷川二郎ら:消化器科, 7, 740 (1987) SLX‐ 146
2)
岩越一彦ら:基礎と臨床, 20, 8261 (1986) SLX‐ 124
3)
芦沢真六ら:Prog.Med., 3(S.), 1169 (1983) SLX‐ 019
4)
Murakami, M. et al.:Arzneim. Forsch., 31, 799 (1981) SLX‐ 061
5)
Murakami, M. et al.:Jpn. J. Pharmacol., 32, 921 (1982) SLX‐ 049
6)
村上 学ら:消化器科, 7, 613 (1987) SLX‐ 150
7)
渡辺敦光ら:消化器科, 7, 623 (1987) SLX‐ 152
8)
小林 隆ら:Ulcer Research, 21, 66 (1994) SLX‐ 287
9)
佐藤泰男ら:Prog. Med., 12, 583 (1992) SLX‐ 231
10)
Terano, A. et al. : Digestion, 33, 206 (1988) SLX‐ 184
11)
中村正彦ら:Prog. Med., 10, 561 (1990) SLX‐ 202
12)
滝内比呂也ら : 臨牀と研究, 70, 3666 (1993) SLX‐ 275
13)
内田秀一ら:医学のあゆみ, 143, 605 (1987) SLX‐ 140
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西崎 朗ら:日本消化器病学会雑誌, 87, 2352 (1990) SLX‐ 211
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17)
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18)
Hirakawa, T. et al.: Gastroenterology, 111, 345 (1996) SLX‐ 331
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21)
福澤邦康ら:新薬と臨牀, 43, 321 (1994) SLX‐ 285
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Terano, A. et al. : Digestion, 35, 182 (1986) SLX‐ 185
24)
Arakawa, T. et al. : Digestion, 39, 111 (1988) SLX‐ 177
25)
村上 学ら:日本薬理学雑誌, 79, 591 (1982) SLX‐ 054
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27)
竹村俊樹ら:臨床薬理, 20, 97 (1989) SLX‐ 182
文献請求先
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FAX番号
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