1.
本剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
2.
白血球数3,000/mm3以下の患者〔骨髄機能抑制を増悪させ、重篤な感染症、出血傾向等が発現するおそれがある。〕
3.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
1. 腎移植における拒否反応の抑制
2. 原発性糸球体疾患を原因とするネフローゼ症候群(副腎皮質ホルモン剤のみでは治療困難な場合に限る。また、頻回再発型のネフローゼ症候群を除く。)
3. ループス腎炎(持続性蛋白尿、ネフローゼ症候群または腎機能低下が認められ、副腎皮質ホルモン剤のみでは治療困難な場合に限る。)
4. 関節リウマチ(過去の治療において、非ステロイド性抗炎症剤さらに他の抗リウマチ薬の少なくとも1剤により十分な効果の得られない場合に限る。)
用法及び用量
1. 腎移植における拒否反応の抑制
通常、体重1kg当り下記量を1日量として、1日1~3回に分けて経口投与する。
しかし、本剤の耐薬量および有効量は患者によって異なるので、最適の治療効果を得るために用量の注意深い増減が必要である。
初期量としてミゾリビン2~3mg相当量
維持量としてミゾリビン1~3mg相当量
2. 原発性糸球体疾患を原因とするネフローゼ症候群(副腎皮質ホルモン剤のみでは治療困難な場合に限る。)およびループス腎炎(持続性蛋白尿、ネフローゼ症候群または腎機能低下が認められ、副腎皮質ホルモン剤のみでは治療困難な場合に限る。)
通常、成人1回ミゾリビンとして50mgを1日3回経口投与する。
ただし、腎機能の程度により減量等を考慮すること。
なお、本剤の使用以前に副腎皮質ホルモン剤が維持投与されている場合には、その維持用量に本剤を上乗せして用いる。症状により副腎皮質ホルモン剤の用量は適宜減量する。
3. 関節リウマチ
通常、成人1回ミゾリビンとして50mgを1日3回経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
ただし、腎機能の程度により減量等を考慮すること。
用法及び用量に関連する使用上の注意
本剤は主として腎臓から排泄されるため、腎障害のある患者では排泄が遅延し、骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、腎機能(血清クレアチニン値等)及び年齢、体重等を考慮し、低用量から投与を開始するなど用量に留意して、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1. 骨髄機能抑制のある患者〔骨髄機能抑制を増悪させ、重篤な感染症、出血傾向等が発現するおそれがある。〕
2. 細菌・ウイルス・真菌等の感染症を合併している患者
ウイルス性肝炎においては、肝炎を増悪させることがある〔骨髄機能抑制により、感染症を増悪させるおそれがある。〕
3. 出血性素因のある患者〔骨髄機能抑制により、出血傾向が発現するおそれがある。〕
4. 腎障害のある患者(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)
重要な基本的注意
1. 骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
2. 感染症・出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. ※免疫抑制剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。また、HBs抗原陰性の患者において、免疫抑制剤の投与開始後にB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されている。また、C型肝炎ウイルスキャリアの患者において、免疫抑制剤の投与開始後にC型肝炎の悪化がみられることがある。肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。
4. プリン合成阻害作用に基づく尿酸生成増加のため尿酸値の上昇があらわれることがある。
5. 小児に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。
6. 小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
7. 原発性糸球体疾患を原因とするネフローゼ症候群に投与する場合には、次の事項に留意すること。
(1) 副腎皮質ホルモン剤のみでは十分な治療効果が認められない患者、又は副作用、合併症等により副腎皮質ホルモン剤の減量が必要な患者に限り使用すること。
特に副腎皮質ホルモン剤の1日投与量がプレドニゾロン換算で20mg以上である患者には、副腎皮質ホルモン剤の減量を目的とする場合に限る。
(2) 頻回再発型のネフローゼ症候群を除く。
(3) 投与開始後6ヵ月を目標として、尿蛋白、腎機能等を定期的に測定し経過をみながら以降の投与継続の可否を検討する。1日尿蛋白量、クレアチニンクリアランス、血清総蛋白、その他臨床諸症状の経過を総合的に判定し、改善効果を認め投与を継続する場合には、以後も定期的に尿蛋白、腎機能等を測定しながら投与すること。また、病態の急速な進展がみられる場合には、中止又は他の治療法を考慮するなどの適切な処置を行うこと。
なお、従来より投与している治療薬剤は継続して併用することが望ましい。
8. ループス腎炎に投与する場合には次の条件をいずれも満足する患者に限ること。
(1) 臨床的に全身性エリテマトーデス(SLE)と診断され、アメリカリウマチ協会の1982年改訂SLE分類基準1)の4項目以上を満たした患者
(2) ループス腎炎の存在が以下の項目のうち、少なくとも1項目を持つことで確認された患者(SLE以外の原因による腎障害は除く)
a
4週以上の持続性蛋白尿
b
ネフローゼ症候群
c
腎機能低下(クレアチニンクリアランス(Ccr)70mL/分以下又は血清クレアチニン値1.5mg/dL以上)
(3) 副腎皮質ホルモン剤のみでは十分な効果が認められない患者、又は副作用、合併症等により副腎皮質ホルモン剤の減量が必要な患者
9. 関節リウマチに投与する場合には、次の事項に留意すること。
(1) 活動性の関節リウマチに対してのみ投与を考慮すること。
(2) 過去の治療において、非ステロイド性抗炎症剤で十分な効果が認められず、また金剤(注射用、経口用)、D-ペニシラミン、ブシラミン、ロベンザリット二ナトリウム等の抗リウマチ薬を使用して、十分な効果が認められなかった患者、又は投与中止を必要とする副作用が発現した患者に限り使用すること。
(3) 本剤は遅効性であり、通常、効果発現まで2~4ヵ月間の継続投与が必要である。ただし、6ヵ月間継続投与しても効果があらわれない場合には、投与を中止すること。なお、従来より投与している非ステロイド性抗炎症剤は継続して併用することが望ましい。
相互作用
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等
生ワクチン
乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等
臨床症状・措置方法
ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、本剤投与中に生ワクチンを接種しないこと。
機序・危険因子
免疫機能が抑制された患者への生ワクチン接種により、感染の可能性が増加する。
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
不活化ワクチン
インフルエンザワクチン等
臨床症状・措置方法
ワクチンの効果が得られないおそれがある。
機序・危険因子
免疫抑制作用により、ワクチンに対する免疫が得られないおそれがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1. 骨髄機能抑制
(頻度不明)
汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、赤血球減少、ヘマトクリット値の低下等があらわれることがあるので、頻回に検査を行うなど観察を十分に行い、重篤な血液障害が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 感染症
(頻度不明)
※肺炎、髄膜炎、敗血症、帯状疱疹等があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。本剤を投与する場合は観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 間質性肺炎
(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。
4. 急性腎不全
(頻度不明)
急性腎不全があらわれることがある。腎障害のある患者(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)で尿酸値の上昇を伴ってあらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、血液透析等の適切な処置を行うこと。
5. 肝機能障害、黄疸
(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)、ALPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6. 消化管潰瘍、消化管出血、消化管穿孔
(頻度不明)
消化管潰瘍、消化管出血、消化管穿孔があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
7. 重篤な皮膚障害
(頻度不明)
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)等の重篤な皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8. 膵炎
(頻度不明)
膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
9. 高血糖、糖尿病
(頻度不明)
高血糖、糖尿病及び糖尿病の悪化があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 腎臓
(頻度不明)
腎機能異常(蛋白尿、血尿、BUN、クレアチニンの上昇等)
2. 肝臓
(頻度不明)
肝機能異常(AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、LDH、γ-GTP、LAP、ビリルビンの上昇等)
3. 消化器
(頻度不明)
食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、腹痛、便秘、口内炎、舌炎、腹部膨満感、軟便、舌苔
4. 過敏症注)
(頻度不明)
発疹、そう痒感、発熱
5. 代謝異常
(頻度不明)
※痛風、尿酸値の上昇、ALP上昇
6. 皮膚
(頻度不明)
脱毛
7. 精神神経系
(頻度不明)
めまい、頭痛、味覚異常、しびれ、眠気、耳鳴、四肢異常知覚
8. その他
(頻度不明)
眼球充血、全身けん怠感、浮腫、口渇、ガンマグロブリン低下、動悸、悪寒、ほてり、月経異常、胸痛
その他の副作用の注意
注)発現した場合には、投与を中止すること。
高齢者への投与
本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、排泄が遅延するおそれがあるので、腎機能(血清クレアチニン値等)及び年齢、体重を考慮し適宜減量すること(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 催奇形性を疑う症例報告があり、また、動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形作用が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
2. 授乳中の投与に関する安全性は確立していないので、授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
臨床検査結果に及ぼす影響
尿中ビリルビン試験で偽陽性を示すことがある。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。〔PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。〕
その他の注意
免疫抑制剤による治療を受けた患者では、悪性腫瘍(特に悪性リンパ腫、皮膚癌等)の発生率が高いとする報告がある。
薬物動態
1. 生物学的同等性試験
<ミゾリビン錠25mg「マイラン」>
ミゾリビン錠25mg「マイラン」は「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」(平成18年11月24日 薬食審査発第1124004号)」に基づき、ミゾリビン錠50mg「マイラン」を標準製剤としたとき溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた2)。
<ミゾリビン錠50mg「マイラン」>
ミゾリビン錠50mg「マイラン」と標準製剤をクロスオーバー法によりそれぞれ2錠(ミゾリビンとして100mg)健康成人男子10名に食後単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された3)。
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
2. 溶出挙動
ミゾリビン錠25mg「マイラン」及びミゾリビン錠50mg「マイラン」は、日本薬局方医薬品各条に定められたミゾリビン錠の溶出規格に適合していることが確認されている4,5)。
薬効薬理
リンパ球増殖抑制作用や抗体産生抑制作用を示し、免疫抑制薬としての効果を現す。ヌクレオシド類似の構造を有するプリン代謝拮抗薬であり、作用機序はプリン合成系のイノシン酸からグアニル酸に至る経路の拮抗阻害である。核酸合成を抑制して細胞増殖抑制作用を示す。また、関節炎に対して遅効的に腫脹抑制作用が見られる。6)
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
〔日局〕ミゾリビン(Mizoribine)
化学名:
5-Hydroxy-1-β-D-ribofuranosyl-1H-imidazole-4-carboxamide
分子式:
C9H13N3O6
分子量:
259.22
構造式:
性状:
本品は白色~帯黄白色の結晶性の粉末である。
本品は水に溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。
取扱い上の注意
1. 本剤は湿気により変色することがある。変色したものは使用しないこと。
2. 安定性試験:
最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、ミゾリビン錠25mg「マイラン」及びミゾリビン錠50mg「マイラン」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された7,8)。
包装
PTP 100錠
JANコード:
4987153136106
商品名: ブレディニン錠50
販売元名: 旭化成ファーマ
規格容量: 50mg/錠 PTP 10錠×10
主要文献及び製品に関するお問い合わせ先
主要文献
1) Tan,E.M.,et al.:Arthritis Rheum.,25(11),1271~1277(1982)
2) 社内資料(25mg:生物学的同等性試験資料)
3) 社内資料(50mg:生物学的同等性試験資料)
4) 社内資料(25mg:溶出試験資料)
5) 社内資料(50mg:溶出試験資料)
6) 第十五改正日本薬局方 第一追補解説書 C-327(廣川書店)
7) 社内資料(25mg:安定性試験資料)
8) 社内資料(50mg:安定性試験資料)
製品に関するお問い合わせ先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
マイラン製薬株式会社 カスタマーサポートセンター
〒105-0001 東京都港区虎ノ門5丁目11番2号
※フリーダイヤル:0120-194-701
Fax:0120-933-850
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
マイラン製薬株式会社
大阪市中央区本町2丁目6番8号