Lonsurf combination tablet (TAS-102)Trifluridine/Tipiracil Hydrochloride
ロンサーフ配合錠T15/ロンサーフ配合錠T20 -------------------------------------------------------------------------------- 作成又は改訂年月
2014年3月作成(第1版)
日本標準商品分類番号
87 429
日本標準商品分類番号等
国際誕生年月 2014年3月
薬効分類名
抗悪性腫瘍剤
承認等
販売名 ロンサーフ配合錠T15
販売名コード
4299100F1026
承認・許可番号
承認番号 22600AMX00530000 商標名 Lonsurf combination tablet T15
薬価基準収載年月
2014年5月
販売開始年月
2014年5月
貯法・使用期限等 貯法 :室温保存、気密容器 使用期限 30箇月(外箱に表示)
規制区分
劇薬 処方せん医薬品 (注意-医師等の処方せんにより使用すること)
組成
成分・含量 1錠中 トリフルリジン 15mg チピラシル塩酸塩 7.065mg 添加物 乳糖水和物、部分アルファー化デンプン、ヒプロメロース、ステアリン酸、マクロゴール6000、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム
性状
白色の扁平球状のフィルムコーティング錠である。 外形・表面
外形・裏面外形・側面大きさ・直径(mm)7.1大きさ・厚み(mm)2.7重量(mg)122.7- 販売名
- ロンサーフ配合錠T20
販売名コード
4299100F2022
承認・許可番号
承認番号
- 22600AMX00531000
- 商標名
Lonsurf combination tablet T20
薬価基準収載年月
2014年5月
販売開始年月
2014年5月
貯法・使用期限等
貯法
:室温保存、気密容器
- 使用期限
30箇月(外箱に表示)
規制区分
劇薬
- 処方せん医薬品
(注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
- 成分・含量
1錠中 トリフルリジン 20mg チピラシル塩酸塩 9.42mg
- 添加物
乳糖水和物、部分アルファー化デンプン、ヒプロメロース、ステアリン酸、マクロゴール6000、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、三二酸化鉄
性状
淡赤色の扁平球状のフィルムコーティング錠である。
- 外形・表面
- 外形・裏面
- 外形・側面
- 大きさ・直径(mm)
- 7.6
- 大きさ・厚み(mm)
- 3.2
- 重量(mg)
- 163.6
一般的名称
トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合錠
警告
- 1. 本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
- 2. フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、これらの薬剤との併用療法(ホリナート・テガフール・ウラシル療法等)、抗真菌剤フルシトシン又は葉酸代謝拮抗剤(メトトレキサート及びペメトレキセドナトリウム水和物)との併用により、重篤な骨髄抑制等の副作用が発現するおそれがあるので注意すること(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「相互作用」の項参照)。
|
禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
- 2.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
|
効能又は効果
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌(標準的な治療が困難な場合に限る)
効能又は効果に関連する使用上の注意
1.検証的な試験成績は得られていない。
- 2.本剤の一次治療及び二次治療としての有効性及び安全性は確立していない。
- 3.本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 4.
用法及び用量
通常、成人には初回投与量(1回量)を体表面積に合わせて次の基準量とし(トリフルリジンとして約35mg/m2/回)、朝食後及び夕食後の1日2回、5日間連続経口投与したのち2日間休薬する。これを2回繰り返したのち14日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。 なお、患者の状態により適宜減量する。 (用法及び用量の表参照)
用法及び用量の表
体表面積(m2) |
初回基準量 (トリフルリジン相当量) |
~1.07未満 |
35mg/回(70mg/日) |
1.07以上~1.23未満 |
40mg/回(80mg/日) |
1.23以上~1.38未満 |
45mg/回(90mg/日) |
1.38以上~1.53未満 |
50mg/回(100mg/日) |
1.53以上~1.69未満 |
55mg/回(110mg/日) |
1.69以上~1.84未満 |
60mg/回(120mg/日) |
1.84以上~1.99未満 |
65mg/回(130mg/日) |
1.99以上~2.15未満 |
70mg/回(140mg/日) |
2.15以上~ |
75mg/回(150mg/日) |
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
- 2.空腹時に本剤を投与した場合、食後投与と比較してトリフルリジン(FTD)のCmaxの上昇が認められることから、空腹時投与を避けること(「薬物動態」の項参照)。
- 3.本剤の投与にあたっては、以下の基準を参考に必要に応じて、減量又は休薬すること。
(1)
各コース開始時、「投与開始基準」を満たさない場合は本剤を投与しない。また、「休薬基準」に該当する有害事象が発現した場合は本剤を休薬し、「投与再開基準」まで回復を待って投与を再開する。
- (GradeはCTCAE v3.0に基づく。)
(2)前コース(休薬期間を含む)中に、「減量基準」に該当する有害事象が発現した場合には、本剤の投与再開時において、コース単位で1日単位量として10mg/日単位で減量する。ただし、最低投与量は30mg/日までとする。
- 4.
- 血色素量
8.0g/dL以上
- 好中球数
1,500/mm3以上
- 血小板数
75,000/mm3以上
- 総ビリルビン
1.5mg/dL以下
- AST(GOT)、ALT(GPT)
施設基準値上限の2.5倍(肝転移症例では5倍)以下
- クレアチニン
1.5mg/dL以下
- 末梢神経障害
Grade 2以下
- 非血液毒性
Grade 1以下(脱毛、味覚異常、色素沈着、原疾患に伴う症状は除く)
- 血色素量
7.0g/dL未満
- 好中球数
1,000/mm3未満
- 血小板数
50,000/mm3未満
- 総ビリルビン
2.0mg/dLを超える
- AST(GOT)、ALT(GPT)
施設基準値上限の2.5倍(肝転移症例では5倍)を超える
- クレアチニン
1.5mg/dLを超える
- 末梢神経障害
Grade 3以上
- 非血液毒性
Grade 3以上
- 1.他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
- 2.空腹時に本剤を投与した場合、食後投与と比較してトリフルリジン(FTD)のCmaxの上昇が認められることから、空腹時投与を避けること(「薬物動態」の項参照)。
- 3.本剤の投与にあたっては、以下の基準を参考に必要に応じて、減量又は休薬すること。
- (1)各コース開始時、「投与開始基準」を満たさない場合は本剤を投与しない。また、「休薬基準」に該当する有害事象が発現した場合は本剤を休薬し、「投与再開基準」まで回復を待って投与を再開する。
- (GradeはCTCAE v3.0に基づく。
(2)前コース(休薬期間を含む)中に、「減量基準」に該当する有害事象が発現した場合には、本剤の投与再開時において、コース単位で1日単位量として10mg/日単位で減量する。ただし、最低投与量は30mg/日までとする。
4.
- 好中球数
- 500/mm3未満
- 血小板数
- 1.他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
- 2.
空腹時に本剤を投与した場合、食後投与と比較してトリフルリジン(FTD)のCmaxの上昇が認められることから、空腹時投与を避けること(「薬物動態」の項参照)。
- 3.本剤の投与にあたっては、以下の基準を参考に必要に応じて、減量又は休薬すること。
- (1各コース開始時、「投与開始基準」を満たさない場合は本剤を投与しない。また、「休薬基準」に該当する有害事象が発現した場合は本剤を休薬し、「投与再開基準」まで回復を待って投与を再開する。
- (GradeはCTCAE v3.0に基づく
(2)
前コース(休薬期間を含む)中に、「減量基準」に該当する有害事象が発現した場合には、本剤の投与再開時において、コース単位で1日単位量として10mg/日単位で減量する。ただし、最低投与量は30mg/日までとする。
4.
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
- 1.骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増強するおそれがある。]
- 2.感染症を合併している患者[骨髄抑制により、感染症が悪化するおそれがある。]
- 3.腎機能障害のある患者[骨髄抑制等の副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 4.中等度及び重度の肝機能障害のある患者[使用経験がない。]
- 5.高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
- 1.本剤の投与により骨髄機能が抑制され、感染症等の重篤な副作用が増悪又はあらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
- 2.生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮すること。
相互作用
In vitro試験で、トリフルリジン(FTD)はラット濃縮型ヌクレオシドトランスポーターrCNT1の基質、チピラシル塩酸塩(TPI)はヒト有機カチオントランスポーターOCT2の基質であることが示された。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等 フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤(カペシタビン、テガフール、ドキシフルリジン、フルオロウラシル、テガフール・ウラシル配合剤、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤) ホリナート・テガフール・ウラシル療法 レボホリナート・フルオロウラシル療法 抗真菌剤フルシトシン 葉酸代謝拮抗剤(メトトレキサート、ペメトレキセドナトリウム水和物)
- 臨床症状・措置方法
重篤な骨髄抑制等の副作用が発現するおそれがある。
- 機序・危険因子
酸合成酵素阻害作用を有するフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の併用により、トリフルリジン(FTD)のDNA 取り込みが増加する可能性がある。 本剤中のチピラシル塩酸塩(TPI)がチミジンホスホリラーゼ(TPase)を阻害することにより、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の代謝に影響を及ぼす可能性がある。
- 2. 薬剤名等
他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射等 - 臨床症状・措置方法
骨髄抑制、消化管障害等が増強することがあるので、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
- 機序・危険因子
骨髄抑制、消化管障害等が相互に増強される。
副作用
副作用等発現状況の概要
国内臨床試験における副作用発現率は96.6%(115/119例)であった。主な副作用は、白血球減少76.5%(91例)、好中球減少73.1%(87例)、ヘモグロビン減少63.9%(76例)、悪心63.0%(75例)、食欲減退55.5%(66例)、疲労52.9%(63例)、血小板減少41.2%(49例)、リンパ球減少33.6%(40例)、下痢33.6%(40例)、赤血球減少31.9%(38例)、嘔吐28.6%(34例)、ヘマトクリット減少28.6%(34例)、血中ビリルビン増加19.3%(23例)、感染症15.1%(18例)、口内炎15.1%(18例)であった(承認時)。
重大な副作用
1. 骨髄抑制:
白血球減少(76.5%)、好中球減少(73.1%)、リンパ球減少(33.6%)、貧血(63.9%)、血小板減少(41.2%)、発熱性好中球減少症(4.2%)等の骨髄抑制があらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
- 2. 感染症(15.1%):
敗血症(0.8%)、肺炎(2.5%)等の感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
- 3. 間質性肺疾患(頻度不明):
間質性肺疾患があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
- 1. 消化器
10%以上
下痢、悪心、嘔吐、食欲減退、口内炎
- 2. 消化器
5~10%未満
腹痛
- 3. 消化器
5%未満
便秘、イレウス
- 4. 全身症状
10%以上
疲労
- 5. 全身症状
5~10%未満
発熱
- 6. 全身症状
5%未満
浮腫、脱水
- 7. 肝臓胆道系
10%以上
血中アルブミン減少、血中ビリルビン増加
- 8. 腎臓
10%以上
尿中蛋白陽性
- 9. 感染症
5~10%未満
インフルエンザ様疾患
- 10. 循環器
5%未満
心房細動、心房粗動、心筋虚血
- 11. 精神神経
5~10%未満
頭痛
- 12. 精神神経
5%未満
めまい、末梢性感覚障害
- 13. 筋骨格系
5%未満
筋肉痛
- 14. 皮膚皮下組織
5~10%未満
皮疹
- 15. 皮膚皮下組織
5%未満
脱毛症、手足症候群、そう痒症
- 16. その他
10%以上
体重減少
- 17. その他
5~10%未満
血中ナトリウム減少
- 18. その他
5%未満
鼻出血、尿糖陽性
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット)で胎児への影響(胎児発育抑制及び胚致死作用)及び催奇形性が報告されている。]
- 2.授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中移行が報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。動物実験(ラット)で終生成長する切歯への影響が報告されている。]
過量投与
本剤の過量投与に対する解毒剤は知られていない。 過量投与が行われた場合には、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、対症療法等の適切な処置を行うこと。
適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
- 1.本剤に含まれるトリフルリジン(FTD)はヌクレオシド系抗癌剤であり、抗ウィルス薬のうちチミジン誘導体(ジドブジン、サニルブジン等)と同様の活性化経路を有しており、本剤と他のチミジン誘導体を併用した場合、両剤の効果が減弱される可能性が考えられる。
- 2.遺伝毒性に関して、細菌を用いた復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験、及びマウスの骨髄細胞を用いた小核試験において、陽性の結果が報告されている。
- 3.ラットに反復投与した場合に、黄体数の増加が報告されている。
薬物動態
(1)
日本人固形癌患者に本剤を15~35mg/m2/回の用量で1日2回(朝・夕食後)5日間連続経口投与した後2日間休薬、これを2回繰り返したときのFTD及びTPIの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを図表に示す。血漿中FTD濃度は反復投与により増加し、単回投与時と比較してCmaxは1.4倍、AUCは2.6倍に増加したが、血漿中TPI濃度に蓄積は認められなかった。15~35mg/m2/回の用量範囲でFTD及びTPIのCmax及びAUC0-10hrは概ね用量に応じて増加した。1) (薬物動態の表参照)
- (2) 食事の影響:
日本人固形癌患者(14例)に本剤を35mg/m2/回で食後に単回経口投与したとき、空腹時と比較してFTDのAUCは変化しなかったが、FTDのCmax、TPIのCmax及びAUCは食事によりそれぞれ61%、56%及び56%に低下した。2)
- 2. 分布
In vitro試験においてFTDのヒト血漿蛋白結合率は96.7~97.3%であり、主な結合蛋白はアルブミンであった。TPIの蛋白結合率は1.3~7.1%であった。In vitro試験で、FTDはラットrCNT1の基質であることが示された。
- 3. 代謝
FTDはチミジンホスホリラーゼ(TPase)によりトリフルオロチミン(FTY)に代謝され、更に5-カルボキシウラシルに代謝される。ヒト血漿及び尿中でTPIの代謝物はほとんど認められなかった。
- 4. 排泄1)
日本人固形癌患者21例を対象に、本剤を15~35mg/m2/回の用量で単回投与したときのFTD及びTPIの投与後10時間までの尿中排泄率はいずれの用量においても概ね一定であり、それぞれ0.963~7.64%及び19.0~22.9%であった。FTYの尿中排泄率はFTDの用量の11.9~27.2%であり、FTDは主にFTYに代謝され尿中に排泄された。In vitro試験で、TPIはヒトOCT2の基質であることが示された。
薬物動態の表
本剤を15~35mg/m2/回で単回投与及び1日2回反復投与したときの午前投与後の血漿中FTDの薬物動態パラメータ
用量 (mg/m2/回) |
日 |
n |
Cmax (ng/mL) |
tmax (hr) |
AUC0-10hr (ng・hr/mL) |
t1/2 (hr) |
15 |
1 |
6 |
1009±491 |
1.7±1.3 |
2037±773 |
1.39±0.38a) |
15 |
12 |
6 |
1205±421 |
1.6±0.7 |
5478±2849 |
2.44±1.57 |
20 |
1 |
3 |
1840±737 |
1.2±0.8 |
4347±535 |
1.17±0.15 |
20 |
12 |
3 |
2747±610 |
1.7±0.6 |
9994±2109 |
1.52±0.34 |
25 |
1 |
3 |
2450±1021 |
1.5±0.9 |
4281±1380 |
1.49±0.59 |
25 |
12 |
3 |
2757±1173 |
1.3±0.6 |
8656b) |
1.96±0.10 |
30 |
1 |
3 |
3677±1459 |
1.2±0.8 |
8229±1441 |
1.88±0.73 |
30 |
12 |
3 |
5437±1685 |
1.3±0.6 |
23672±7844 |
2.33±1.26 |
35 |
1 |
6 |
3338±767 |
1.3±0.5 |
8678±1786a) |
1.41±0.38 |
35 |
12 |
6 |
4752±1697 |
1.9±1.6 |
20950±2237 |
1.97±0.51 |
本剤を15~35mg/m2/回で単回投与及び1日2回反復投与したときの午前投与後の血漿中TPIの薬物動態パラメータ
用量 (mg/m2/回) |
日 |
n |
Cmax (ng/mL) |
tmax (hr) |
AUC0-10hr (ng・hr/mL) |
t1/2 (hr) |
15 |
1 |
6 |
25.8±14.7 |
2.6±1.6 |
117±84 |
2.27±0.74 |
15 |
12 |
6 |
44.1±51.8 |
2.8±1.5 |
234±283 |
2.89±0.83 |
20 |
1 |
3 |
43.1±6.5 |
1.7±0.6 |
166±29 |
1.53±0.17 |
20 |
12 |
3 |
41.8±14.7 |
2.7±1.2 |
161±41 |
1.82±0.18 |
25 |
1 |
3 |
54.2±28.5 |
1.7±0.6 |
214±79 |
1.78±0.27 |
25 |
12 |
3 |
50.2±13.1 |
2.7±1.2 |
300b) |
4.01±3.57 |
30 |
1 |
3 |
136±77 |
2.7±1.2 |
521±338 |
1.66±0.37 |
30 |
12 |
3 |
99.6±43.8 |
2.7±1.2 |
447±278 |
2.21±0.62 |
35 |
1 |
6 |
76.6±32.1 |
2.3±0.8 |
281±99a) |
1.67±0.22 |
35 |
12 |
6 |
70.0±43.4 |
2.3±0.8 |
317±182 |
2.37±0.93 |
- 平均値±標準偏差、a)n=5、b)n=2
平均値±標準偏差、a)n=5、b)n=2
臨床成績
進行又は再発結腸・直腸癌を対象とした臨床第II相試験3)
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、イリノテカン及びオキサリプラチンを含む前治療2レジメン以上注1)の進行又は再発結腸・直腸癌(本剤112例、プラセボ57例)を対象に、全生存期間を主要評価項目とし、本剤のプラセボ投与に対する優越性の検討を目的とした第II相比較試験を実施した。その結果、全生存期間において、本剤のプラセボ投与に対する優越性が確認された。本剤投与群における全生存期間の中央値は9.0ヶ月であった。 (臨床成績の表参照)
臨床成績の表
全生存期間の結果
治療群 |
症例数 |
全生存期間中央値(月) (95%信頼区間) |
P値(片側)注2) |
ハザード比注3) (95%信頼区間) |
本剤 |
112 |
9.0(7.3, 11.3) |
0.0005 |
0.56(0.39, 0.81) |
プラセボ |
57 |
6.6(4.9, 8.0) |
0.0005 |
0.56(0.39, 0.81) |
- 注1)KRAS遺伝子が野生型の患者の90%以上は、抗EGFRモノクローナル抗体製剤の前治療歴を有していた。
注2)ECOG performance status(0、1又は2)を層とした層別log-rank検定の片側P値として算出した。有意水準は片側0.10であった。(両側P値は0.00113)) 注3)ECOG performance status(0、1又は2)を層としたCox回帰モデルに基づき算出した。
薬効薬理
1. 抗腫瘍効果4,5)
ヒト結腸・直腸癌由来COL-1細胞株及びHCT-116細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、本剤は腫瘍増殖抑制効果を示した。また、ヒト結腸・直腸癌由来KM20C細胞株を腹腔内移植したヌードマウスにおいて、本剤は延命効果を示した。
- 2. 作用機序6~8)
ヒト腫瘍由来細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、DNAに取り込まれたFTDの量と腫瘍増殖抑制効果が相関したことから、本剤の腫瘍増殖抑制効果はFTDに基づき、また、DNAにFTDが取り込まれることによって腫瘍増殖抑制効果が発揮されると推測される。 また、サルにFTDを単独で経口投与した場合、血中にFTDはほとんど認められないが、FTDの分解酵素であるTPaseを阻害するTPIを併用することによりFTDの血中濃度が維持された。
有効成分に関する理化学的知見
構造式
- 一般名
- トリフルリジン(Trifluridine)
- 化学名
- 2'-Deoxy-5-(trifluoromethyl)uridine
- 分子式
- C10H11F3N2O5
- 分子量
- 296.20
- 融点
- 約182℃(分解)
- 性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。 メタノールに溶けやすく、水及びエタノール(99.5)にやや溶けやすい。
- 構造式
- 一般名
- チピラシル塩酸塩(Tipiracil Hydrochloride)
- 化学名
- 5-Chloro-6-[(2-iminopyrrolidin-1-yl)methyl]pyrimidine-2,4 (1H,3H)-dione monohydrochloride
- 分子式
- C9H11ClN4O2・HCl
- 分子量
- 279.12
- 融点
- 約241℃(分解)
- 性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。 水にやや溶けやすく、メタノールに極めて溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
承認条件
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌に対する本剤の有効性及び安全性の検証を目的として実施中の第III相試験について、その評価を行うために当該試験終了後速やかにその結果を提出すること。
包装
ロンサーフ配合錠T15 PTP包装:20錠(10錠×2)、60錠(10錠×2×3)
- ロンサーフ配合錠T20
PTP包装:20錠(10錠×2)、60錠(10錠×2×3)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
- Doi, T. et al.:Br. J. Cancer,107, 429(2012)
- 2)
- TAS-102の食事の影響に関する臨床薬理試験,社内資料,研究報告書No.447(2013)
- 3)
- Yoshino, T. et al.:Lancet Oncol.,13, 993(2012)
- 4)
- ヒト大腸癌由来株COL-1及びHCT-116のヌードマウス皮下移植モデルに対するTAS-102の抗腫瘍効果「11TA01試験」,社内資料,研究報告書No.423(2012)
- 5)
- ヒト大腸癌由来株KM20Cのヌードマウス腹腔内移植モデルにおけるTAS-102の延命効果「11TA05試験」,社内資料,研究報告書No.424(2012)
- 6)
- Emura, T. et al.:Int. J. Mol. Med.,13, 249(2004)
- 7)
- Fukushima, M. et al.:Biochem. Pharmacol.,59, 1227(2000)
- 8)
- Emura, T. et al.:Int. J. Oncol.,27, 449(2005)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
大鵬薬品工業株式会社 メディカルアフェアーズ本部 MA部 医薬品情報課
〒101-8444 東京都千代田区神田錦町1-27
TEL 0120-20-4527
FAX 03-3293-2451
長期投与医薬品に関する情報
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2015年5月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
- 大鵬薬品工業株式会社
- 東京都千代田区神田錦町1-27
详细的资料下载
http://www.info.pmda.go.jp/shinyaku/P201400019/400107000_22600AMX00530000_A100_1.pdf
本剤50mg/日を投与する場合は、朝食後に20mgを、夕食後に30mgを投与する。
50,000/mm3未満
本剤50mg/日を投与する場合は、朝食後に20mgを、夕食後に30mgを投与する。
本剤50mg/日を投与する場合は、朝食後に20mgを、夕食後に30mgを投与する。
臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴について、「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。 |