HICALIQ輸液(High-calorie infusion) ハイカリックNC-L輸液(700mL)/ハイカリックNC-N輸液(700mL)/ハイカリックNC-H輸液(700mL) -------------------------------------------------------------------------------- 作成又は改訂年月
**2014年7月改訂(第9版)
*2012年4月改訂
日本標準商品分類番号
873239
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新) 1993年9月
薬効分類名
高カロリー輸液用基本液
承認等
販売名 ハイカリックNC-L輸液(700mL)
販売名コード
3239512X1059
承認・許可番号
承認番号 22000AMX00269 欧文商標名 HICALIQ NC-L
薬価基準収載年月
2008年6月
販売開始年月
1990年2月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
容器,外箱に表示
注意
取扱い上の注意の項参照
規制区分
処方箋医薬品注)
注) 注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
〈成分・分量〉 有効成分 (1袋700mL中)
ブドウ糖 120.0g L-乳酸ナトリウム液 6.724g (L-乳酸ナトリウムとして) (3.362g) グルコン酸カルシウム水和物 1.906g 塩化ナトリウム 1.169g 酢酸カリウム 1.168g リン酸二水素カリウム 1.100g 塩化マグネシウム 1.017g 塩化カリウム 0.746g 硫酸亜鉛水和物 5.8mg
添加物 (1袋700mL中)
希塩酸(pH調節剤) 適量
〈電解質量〉 (1袋700mL中)
Na+ 50mEq K+ 30mEq Mg2+ 10mEq Ca2+ 8.5mEq CI- 49mEq Acetate- 11.9mEq L-Lactate- 30mEq Gluconate- 8.5mEq P 250mg Zn 20μmol
〈熱量〉 (1袋700mL中)
480kcal
性状
無色~微黄色澄明の液で,わずかに酢酸臭があり,味は甘い.
pH
4.0~5.0
浸透圧比
約4(浸透圧比:生理食塩液に対する比)
販売名 ハイカリックNC-N輸液(700mL)
販売名コード
3239513X1053
承認・許可番号
承認番号 22000AMX00268 欧文商標名 HICALIQ NC-N
薬価基準収載年月
2008年6月
販売開始年月
1990年2月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
容器,外箱に表示
注意
取扱い上の注意の項参照
規制区分
処方箋医薬品注)
注) 注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
〈成分・分量〉 有効成分 (1袋700mL中)
ブドウ糖 175.0g L-乳酸ナトリウム液 6.724g (L-乳酸ナトリウムとして) (3.362g) グルコン酸カルシウム水和物 1.906g 塩化ナトリウム 1.169g 酢酸カリウム 1.168g リン酸二水素カリウム 1.100g 塩化マグネシウム 1.017g 塩化カリウム 0.746g 硫酸亜鉛水和物 5.8mg
添加物 (1袋700mL中)
希塩酸(pH調節剤) 適量
〈電解質量〉 (1袋700mL中)
Na+ 50mEq K+ 30mEq Mg2+ 10mEq Ca2+ 8.5mEq CI- 49mEq Acetate- 11.9mEq L-Lactate- 30mEq Gluconate- 8.5mEq P 250mg Zn 20μmol
〈熱量〉 (1袋700mL中)
700kcal
性状
無色~微黄色澄明の液で,わずかに酢酸臭があり,味は甘い.
pH
4.0~5.0
浸透圧比
約6(浸透圧比:生理食塩液に対する比)
販売名 ハイカリックNC-H輸液(700mL)
販売名コード
3239514X1058
承認・許可番号
承認番号 22000AMX00267 欧文商標名 HICALIQ NC-H
薬価基準収載年月
2008年6月
販売開始年月
1990年2月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
容器,外箱に表示
注意
取扱い上の注意の項参照
規制区分
処方箋医薬品注)
注) 注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
〈成分・分量〉 有効成分 (1袋700mL中)
ブドウ糖 250.0g L-乳酸ナトリウム液 6.724g (L-乳酸ナトリウムとして) (3.362g) グルコン酸カルシウム水和物 1.906g 塩化ナトリウム 1.169g 酢酸カリウム 1.168g リン酸二水素カリウム 1.100g 塩化マグネシウム 1.017g 塩化カリウム 0.746g 硫酸亜鉛水和物 5.8mg
添加物 (1袋700mL中)
希塩酸(pH調節剤) 適量
〈電解質量〉 (1袋700mL中)
Na+ 50mEq K+ 30mEq Mg2+ 10mEq Ca2+ 8.5mEq CI- 49mEq Acetate- 11.9mEq L-Lactate- 30mEq Gluconate- 8.5mEq P 250mg Zn 20μmol
〈熱量〉 (1袋700mL中)
1000kcal
性状
無色~微黄色澄明の液で,わずかに酢酸臭があり,味は甘い.
pH
4.0~5.0
浸透圧比
約8(浸透圧比:生理食塩液に対する比)
警告
ビタミンB1を併用せずに高カロリー輸液療法を施行すると重篤なアシドーシスが発現することがあるので,必ずビタミンB1を併用すること.(「用法及び用量に関連する使用上の注意」の項参照) ビタミンB1欠乏症と思われる重篤なアシドーシスが発現した場合には,直ちに100~400mgのビタミンB1製剤を急速静脈内投与すること. また,高カロリー輸液療法を施行中の患者では,基礎疾患及び合併症に起因するアシドーシスが発現することがあるので,症状があらわれた場合には高カロリー輸液療法を中断し,アルカリ化剤の投与等の処置を行うこと.
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1. 乳酸血症の患者 [乳酸血症が悪化するおそれがある.]
2. 高ナトリウム血症の患者 [高ナトリウム血症が悪化するおそれがある.]
3. 高クロール血症の患者 [高クロール血症が悪化するおそれがある.]
4. 高カリウム血症,乏尿,アジソン病,高窒素血症の患者 [高カリウム血症が悪化又は誘発されるおそれがある.]
5. 高リン血症,副甲状腺機能低下症の患者 [高リン血症が悪化又は誘発されるおそれがある.]
6. 高マグネシウム血症,甲状腺機能低下症の患者 [高マグネシウム血症が悪化又は誘発されるおそれがある.]
7. 高カルシウム血症の患者 [高カルシウム血症が悪化するおそれがある.]
8. 肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者 [混注するアミノ酸液により肝性昏睡が悪化又は誘発されるおそれがある.]
9. 重篤な腎障害のある患者 [混注するアミノ酸液により高窒素血症が誘発されるおそれがある.]
10. アミノ酸代謝異常のある患者 [アミノ酸インバランスが助長されるおそれがある.]
11. 遺伝性果糖不耐症の患者(ソルビトールを含有するアミノ酸注射液を混合した場合) [ソルビトールを配合するアミノ酸液を混合した場合,果糖尿,果糖血症が誘発されるおそれがある.]
効能又は効果
経口,経腸管栄養補給が不能又は不十分で,経中心静脈栄養に頼らざるを得ない場合の水分,電解質,カロリー補給.
用法及び用量
ハイカリックNC-L輸液 本剤は経中心静脈輸液療法の開始時で,耐糖能が不明の場合や耐糖能が低下している場合の開始液として,あるいは侵襲時等で耐糖能が低下しており,ブドウ糖を制限する必要がある場合の維持液として用いる. 本剤700mLにナトリウム及びクロールを含有しないか,あるいは含有量の少ない10~12%アミノ酸注射液200~300mLを加えてよく混合し,開始液又は維持液とする. 通常,成人1日1800~2000mLの開始液又は維持液を24時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する. なお,年齢,症状,体重により適宜増減する.
ハイカリックNC-N輸液及びハイカリックNC-H輸液 本剤は経中心静脈輸液療法の維持液として用いる. 本剤700mLにナトリウム及びクロールを含有しないか,あるいは含有量の少ない10~12%アミノ酸注射液300~400mLを加えてよく混合し,維持液とする. 通常,成人1日2000~2200mLの維持液を24時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する. なお,年齢,症状,体重により適宜増減する.
用法及び用量に関連する使用上の注意
1. 重篤なアシドーシスが起こることがあるので,必ず必要量(1日3mg以上を目安)のビタミンB1を併用すること.
2. 本剤は通常所要量のナトリウム及びクロールを含有するので,ナトリウム及びクロールを含有しないか,あるいはナトリウム及びクロールの含有量が少ない(原則として5mEq/L以下)アミノ酸注射液を加えて使用すること.
使用上の注意
慎重投与 (次の患者には慎重に投与すること)
1. 菌血症の患者 [カテーテルが二次感染巣となることがあり,敗血症さらには敗血症性ショックを起こすおそれがある.]
2. 脱水症の患者 [脱水症が悪化するおそれがある.]
3. 腎疾患に基づく腎不全のある患者 [腎不全病態が悪化するおそれがある.]
4. 重症熱傷のある患者 [高血糖が誘発され,脱水症状が悪化するおそれがある.]
5. 高カリウム血症を伴わない腎不全のある患者 [腎不全病態が悪化するおそれがある.]
6. 心不全のある患者 [心不全が悪化するおそれがある.]
7. 閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者 [水,電解質及び窒素代謝物が蓄積するおそれがある.]
8. 糖尿病の患者 [高血糖が悪化又は誘発されるおそれがある.]
9. 尿崩症の患者 [水,電解質異常が悪化又は誘発されるおそれがある.]
10. 高度のアシドーシスのある患者 [アシドーシスが悪化するおそれがある.]
11. 膵炎,膵硬化症,膵腫瘍等の膵障害のある患者 [高血糖が悪化又は誘発されるおそれがある.]
12. 肝障害,腎障害のある患者 (キシリトールを含有するアミノ酸注射液を混合した場合) [混注するキシリトールを含むアミノ酸液により肝障害,腎障害が悪化するおそれがある.]
重要な基本的注意
1. 本剤は高濃度のブドウ糖含有製剤なので,耐糖能,必要熱量,至適水分量等患者の病態を確認してから使用すること.
2. 高血糖,尿糖のおそれがあるので,ブドウ糖濃度の低い製剤から開始するなどブドウ糖濃度を徐々に高めること.
3. ハイカリックNC-N輸液及びハイカリックNC-H輸液の急激な投与中止により低血糖を起こすおそれがあるので,投与を中止する場合には,ブドウ糖濃度の低い製剤を使用するなど,ブドウ糖濃度を徐々に下げること.
4. ハイカリックNC-L輸液は経中心静脈輸液療法の開始時で,耐糖能が不明の場合及び病態により耐糖能が低下している場合の開始液として使用する.また,糖尿病,侵襲等により耐糖能が低下しており,投与熱量を制限する必要がある場合には,経中心静脈輸液療法の維持液として使用する. ハイカリックNC-N輸液は,通常の必要熱量の患者の維持液として使用する. ハイカリックNC-H輸液は,必要熱量の高い患者の維持液として使用する.
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等 強心配糖体
臨床症状・措置方法 ジギタリス中毒を起こすおそれがある
機序・危険因子 輸液成分中のカルシウムによる
副作用
再審査終了時,総症例3171例中(臨床試験436例,使用成績調査2735例)182例(5.74%)に副作用が認められた.主な副作用は,高血糖69件(2.18%),高カリウム血症50件(1.58%),肝機能異常28件(0.88%)であった.1)
重大な副作用
1. アシドーシス 重篤なアシドーシスがあらわれることがある (「警告」の項参照).
2. 高血糖 本剤は高濃度のブドウ糖含有製剤なので,ときに過度の高血糖,高浸透圧利尿,口渇があらわれるので,このような症状があらわれた場合にはインスリン投与等の適切な処置を行うこと.
その他の副作用
肝機能障害 (0.1~5%未満) 肝機能異常 肝酵素上昇 AST(GOT)上昇 ALT(GPT)上昇
代謝・栄養障害 (0.1~5%未満) 高カリウム血症 高ナトリウム血症 尿糖
代謝・栄養障害 (0.1%未満) 高尿酸血症 低カリウム血症 AL-P上昇 低ナトリウム血症
泌尿器系障害 (0.1%未満) 腎機能障害
その他 (大量・急速投与による障害) (頻度不明) 脳浮腫 肺水腫 末梢の浮腫 水中毒
副作用が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること.
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(妊娠中の投与に関する安全性は確立していない).
2. 授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが,やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること(授乳中の投与に関する安全性は確立していない).
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない (使用経験が少ない).
適用上の注意
1. 調製時
(1) 本剤には必ず10~12%アミノ酸注射液を混合して使用すること.
(2) 本剤にアミノ酸注射液を混合した後は,速やかに使用すること.
(3) カルシウムを含有するため,クエン酸加血液を混合すると凝血を起こすおそれがあるので注意すること.
(4) 炭酸イオンと沈殿を生じるので,炭酸イオンを含む製剤と混合しないこと.
(5) 脂肪乳剤と混合しないこと.
(6) 抗生物質やその他の治療薬は原則として混合しないこと.
2. 投与経路 末梢静脈内に点滴注入しないこと.
3. 投与時 患者の尿量が1日500mL又は1時間当たり20mL以上あることが望ましい.
臨床成績
〈臨床効果〉2), 3), 4), 5) 悪性腫瘍患者を主とする消化管栄養が不能又は不十分な症例について実施された臨床試験の結果,ハイカリックNC-N輸液では58.5%(124/212例),ハイカリックNC-H輸液では65.8%(133/202例)に栄養改善効果が認められた.
薬効薬理
ハイカリックNC-H輸液にアミノ酸及びビタミン類を配合し,ラットの中心静脈に通常の摂取熱量とほぼ同じ熱量(平均74.5kcal/rat/day)を1カ月間連続投与したところ,順調な体重増加及び良好な正の窒素出納を示し,栄養学的効果が認められた.6)
取扱い上の注意
〈使用前の注意〉
●内容液が漏れている場合や,内容液に混濁・浮遊物等の異常が認められるときは使用しないこと.
●排出口をシールしているフィルムがはがれているときは使用しないこと.
〈調製時の注意〉
●使用時には排出口をシールしているフィルムをはがすこと.
●注射針は,無菌的操作により,ゴム栓の刻印部にまっすぐ刺通すること.斜めに刺すと,ゴム栓や排出口内壁の削り片が薬液中に混入したり,容器を刺通し液漏れの原因となったりすることがある.
●薬剤を配合するときには,よく転倒混和し,配合変化に注意すること.
**〈投与時の注意〉
●本品に通気針(エア針)は不要である.
*●輸液セット等のびん針を接続する際は,ゴム栓の刻印部にまっすぐ刺通すること.
●連結管を用いた2バッグ以上の連続投与は原則として行わないこと.
●個包装を開封したまま保管すると,内容液が変質する可能性があるので,速やかに使用すること.
〈ソフトバッグの取扱い上の注意〉
●本品は軟らかいプラスチックのバッグなので,鋭利なもの等で傷つけないこと.液漏れの原因となる.
*●容器の目盛りは目安として使用すること.
包装
700mL×10袋
主要文献及び文献請求先
主要文献
1) 厚生省薬務局: 医薬品副作用情報別冊 (平成5年度新医薬品等の副作用のまとめ). 1995: 59.
2) 葛西森夫ほか: 新薬と臨牀. 1988; 37: 363.
3) 葛西森夫ほか: 新薬と臨牀. 1988; 37: 393.
4) 小野寺時夫ほか: 社内資料.
5) テルモ株式会社: 社内資料.
6) 岩田光男ほか: 基礎と臨床. 1987; 21: 3407.
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい.
テルモ株式会社 コールセンター
〒151-0072 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目44番1号
TEL 0120-12-8195
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元 テルモ株式会社
東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目44番1号 |