商品名(製造・販売会社)
- スマンクス(アステラス製薬)
日本で開発された抗がん剤で、冠動脈塞栓療法などの局所化学療法のために使用されます。DNAを切断することによりDNAの合成を抑制し、がん細胞の増殖を阻止します。
がん細胞にとどまりやすい性質を持つので、効果的に抗がん作用を発揮します。
適応となるがん
肝臓がんにおける冠動脈塞栓療法および冠動注化学療法に用いられます。前者に対して適応を持つ薬としては、国内で唯一のものです。
主な副作用
発熱、吐き気・嘔吐、食欲不振が現れます。重大なものでは、肝臓障害、アレルギー性のショック症状、間質性肺炎があります。急性腎不全が出現したとの報告もあります。尿量の減少やむくみ、全身のかゆみなどの症状が現れると急性腎不全の疑いがあります。
使用上の注意点
懸濁液がヨウ素(ヨード)化合物なので、ヨード系の薬剤(甲状腺ホルモン剤など)を服用している人は注意が必要です。
商標名
SMANCS 4mg for Hepatic Intra-arterial Injection
一般名
ジノスタチン スチマラマー(Zinostatin Stimalamer)
化学名
(4S,6R,11R,12R )-11-[α-D-2,6-Dideoxy-2-(methylamino)-galactopyranosyloxy]-4-[(4R )-2-oxo-1,3-dioxolan-4-yl]-5-oxatricyclo[8.3.0.04,6]trideca-1(13),9-diene-2,7-diyn-12-yl 2-hydroxy-7-methoxy-5-methylnaphthalene-1-carboxylate
構造式
ジノスタチン スチマラマーはクロモフォアとアポプロテイン(113個のアミノ酸よりなるポリペプチド)よりなるジノスタチン1分子に、部分ブチルエステル化したスチレン-マレイン酸交互共重合体2分子を結合させて得られる平均分子量約15,000の物質である。交互共重合体はアポプロテインのN末端のアラニンのα-アミノ基及び20位のリジンのε-アミノ基とアミド結合している。
性状
ジノスタチン スチマラマーは微黄色の粉末である。水に溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
包装
肝動注用4mg:1バイアル
肝動注用6mg:1バイアル