部分中文替吉奥处方资料(仅供参考)
(替吉奥)是一种氟尿嘧啶衍生物口服抗癌剂,它包括替加氟(FT)和以下两类调节剂:吉美嘧啶(CDHP)及奥替拉西(Oxo)。其三种组分的作用如下:FT是5-Fu的前体药物,具有优良的口服生物利用度,能在活体内转化为5-Fu。CDHP能够抑制在二氢嘧啶脱氢酶作用下从FT释放出来的5-Fu的分解代谢,有助于长时间血中和肿瘤组织中5-Fu有效深度,从而取得与5-Fu持续静脉输注类似的疗效。Oxo能够阻断5-Fu的磷酸化,口服给药之后,Oxo在胃肠组织中具有很高的分布浓度,从而影响5-Fu在胃肠道的分布,进而降低5-Fu毒性的作用。替吉奥与5-Fu相比具有以下优势:①能维持较高的血药浓度并提高抗癌活性;②明显减少药毒性;③给药方便。 在日本,替吉奥于1999年被批准用来治疗晚期胃癌,2001年被批准用来治疗头颈部癌症,2003年被批准用来治疗结直肠癌,2004年被批准用来治疗非小细胞肺癌。多年的临床应用证明,替吉奥是安全有效的抗癌药物。据统计,日本目前晚期胃癌的化疗,有80%以上的病例使用替吉奥,治疗有效率(CR+PR)可达44.6%。 替吉奥胶囊说明书 请仔细阅读说明书并在医师指导下使用 【警示语】 1、本品的剂量限制性毒性为骨髓抑制,与以往的口服氟尿嘧啶类药物不同,使用时应特别注意经常进行临床检查。 2、本品偶可引起重症肝炎等严重的肝损害,因此需定期检查肝功能,以便及早发现。必须注意食欲不振、乏力等肝损害的前兆症状,若出现黄疸(眼球黄染)应立即停药并给予适当的处置。 3、与其他氟尿嘧啶类抗肿瘤药,或与其他药物联用(如亚叶酸、替加氟、尿嘧啶联合化疗等),或与抗真菌药氟胞嘧啶合用,可能会导致严重的血液功能障碍,因此不宜与上述药物联合用药。 替吉奥胶囊的作用机理及疗效优点: 替吉奥又称TS-1,是一种氟尿嘧啶衍生物口服抗癌剂,它包括替加氟(FT-207)和两类调节剂:吉美嘧啶(CDHP)及奥替拉西(Oxo),而众所周知,目前绝大多数治疗胃肠道肿瘤的标准方案中均包含氟尿嘧啶(5-Fu)或其衍生物。 口服替吉奥后,替加氟在体内缓慢转变为氟尿嘧啶发挥抗肿瘤作用;而CDHP能够抑制在二氢嘧啶脱氢酶作用下从FT-207释放出来的5-Fu的分解代谢,提高血浆中5-Fu的浓度,并延长有效药物浓度的保持时间;Oxo可减少5-Fu对消化道粘膜的损害,抑制5-Fu的磷酸化,减小其对胃肠道的副作用。因此,替吉奥胶囊具有一下优点: ①能维持较高的血药浓度,提高抗癌活性; ②明显减少药毒性; ③给药方便。
【成份】替吉奥胶囊为复方制剂,其组份为:替加氟、吉美嘧啶及奥替拉西钾。
可根据患者的状态适当增减给药量,剂量设置为40、50、60、75mg/次。需增加剂量时,若不出现与替吉奥胶囊有关的临床检查值(血液学检查、肝肾功能检查)异常及消化道症状,无安全性问题,可按基准量顺次增加一个剂量,但最高不得超过75mg/次;减小剂量时,按基准量顺次减小一个剂量,最低给药剂量为40mg/次。 联合用药: 【药理毒理】 【贮藏】室温、密闭保存。 【原产地英文商品名】TS-1 25mg/cap 56caps/box (ティーエスワンカプセル20からティーエスワン配合カプセルT20に名称変更) (ティーエスワンカプセル25からティーエスワン配合カプセルT25に名称変更)
効能又は効果胃癌、結腸・直腸癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、手術不能又は再発乳癌、膵癌、胆道癌 効能又は効果に関連する使用上の注意1. 結腸・直腸癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、膵癌、胆道癌の場合
術後補助化学療法として、本剤の有効性及び安全性は確立していない。 2. 非小細胞肺癌の場合
非小細胞肺癌における本剤単剤での使用については、有効性及び安全性は確立していない。 3. 手術不能又は再発乳癌の場合
(1)
術前・術後補助化学療法として、本剤の有効性及び安全性は確立していない。 (2)
本剤の投与を行う場合には、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤及びタキサン系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の増悪若しくは再発例を対象とすること。 (3)
初回化学療法における本剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用療法に関して、有効性及び安全性は確立していない。 用法及び用量通常、成人には初回投与量(1回量)を体表面積に合せて次の基準量とし、朝食後及び夕食後の1日2回、28日間連日経口投与し、その後14日間休薬する。これを1クールとして投与を繰り返す。 (表1) なお、患者の状態により適宜増減する。増減量の段階を40mg、50mg、60mg、75mg/回とする。増量は本剤の投与によると判断される臨床検査値異常(血液検査、肝・腎機能検査)及び消化器症状が発現せず、安全性に問題がなく、増量できると判断される場合に初回基準量から一段階までとし、75mg/回を限度とする。また、減量は通常、一段階ずつ行い、最低投与量は40mg/回とする。 用法及び用量の表
用法及び用量に関連する使用上の注意1.
通常、患者の状態に合せ増減する場合、次の用量を参考とする。
なお、増量する場合は1クール毎とし、一段階の増量にとどめること。
初回基準量:40mg/回
減量:休薬 増量:50mg/回 初回基準量:50mg/回 減量:40mg/回→休薬 増量:60mg/回 初回基準量:60mg/回 減量:50mg/回→40mg/回→休薬 増量:75mg/回 2.
治療上やむを得ず休薬期間を短縮する必要がある場合には、本剤の投与によると判断される臨床検査値異常(血液検査、肝・腎機能検査)及び消化器症状が発現せず、安全性に問題がないことを確認した上で実施すること。ただし、その場合であっても少なくとも7日間の休薬期間を設けること。なお、手術不能又は再発乳癌においては休薬期間の短縮を行った場合の安全性は確立していない(使用経験はない)。 3.
骨髄抑制、劇症肝炎等の重篤な副作用を回避するために各クール開始前及び投与期間中は2週間に1回以上、臨床検査(血液検査、肝・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には休薬期間の延長、上記に準じた減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。特に1クール目及び増量時には頻回に臨床検査を実施すること(「臨床成績」の項参照)。 4.
基礎的検討(ラット)において空腹時投与ではオテラシルカリウムのバイオアベイラビリティが変化し、フルオロウラシルのリン酸化が抑制されて抗腫瘍効果の減弱が起こることが予想されるので食後投与とすること。 5.
非小細胞肺癌においては、後期臨床第II相試験(本剤21日間連日経口投与に、シスプラチン60mg/m2を第8日目に投与)で用いられた用法・用量以外の有効性及び安全性は確立していない。 6.
本剤と胸部又は腹部放射線療法との併用に関しては有効性及び安全性は確立していない。 使用上の注意慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) 1.
骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増強するおそれがある。] 2.
腎障害のある患者[フルオロウラシルの異化代謝酵素阻害剤ギメラシルの腎排泄が低下し、血中フルオロウラシル濃度が上昇し、骨髄抑制等の副作用が強くあらわれるおそれがある(「薬物動態」の項参照)。] 3.
肝障害のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。] 4.
感染症を合併している患者[骨髄抑制により、感染症が悪化するおそれがある。] 5.
耐糖能異常のある患者[耐糖能異常が悪化するおそれがある。] 6.
間質性肺炎又はその既往歴のある患者[間質性肺炎が発現又は増悪するおそれがある。] 7.
心疾患又はその既往歴のある患者[症状が悪化するおそれがある。] 8.
消化管潰瘍又は出血のある患者[症状が悪化するおそれがある。] 9.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照) 重要な基本的注意1.
本剤投与中止後、他のフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤あるいは抗真菌剤フルシトシンの投与を行う場合は少なくとも7日以上の間隔をあけること(「相互作用」の項参照)。 2.
他のフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤あるいは抗真菌剤フルシトシン投与中止後に本剤を投与する場合にはこれらの薬剤の影響を考慮し、適切な間隔をあけてから本剤の投与を開始すること(「相互作用」の項参照)。 3.
骨髄抑制に起因する重篤な感染症(敗血症等)から敗血症性ショックや播種性血管内凝固により死亡に至った症例が報告されているので、感染症・出血傾向の発現又は悪化に十分注意すること。 4.
生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮すること。 5.
本剤の投与により間質性肺炎が発現又は増悪することがあり、死亡に至ることもあるので、投与に際しては間質性肺炎の有無等を確認し、投与中は呼吸状態、咳、発熱の有無等の臨床症状を十分に観察し、胸部X線検査等を行うこと。間質性肺炎の発現又は増悪が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に非小細胞肺癌では、間質性肺炎等肺障害が他の癌腫より発現しやすい(「副作用」の項参照)。 相互作用
併用注意(併用に注意すること) 1.
薬剤名等
フェニトイン
臨床症状・措置方法
フェニトイン中毒(嘔気・嘔吐、眼振、運動障害等)が発現することがあるので、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
テガフールによってフェニトインの代謝が抑制され、フェニトインの血中濃度が上昇する。
2.
薬剤名等
ワルファリンカリウム
臨床症状・措置方法
ワルファリンカリウムの作用を増強することがあるので、凝固能の変動に注意すること。
機序・危険因子
機序は不明である。
3.
薬剤名等
他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射等
臨床症状・措置方法
血液障害、消化管障害等の副作用が増強することがあるので、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
副作用が相互に増強される。
副作用副作用等発現状況の概要
(単独投与時)
単独投与による臨床試験(下記の前治療有乳癌症例、膵癌症例及び胆道癌症例を除く)において、副作用評価可能症例は578例であり、副作用発現率は87.2%(504例)であった。また、前治療(タキサン系抗悪性腫瘍剤)を有する手術不能又は再発乳癌(前治療有乳癌と略す)、膵癌及び胆道癌では、副作用発現率がそれぞれ96.4% 、98.3%及び94.9%と他の癌腫に比較して高かった。また、膵癌では重度の発現率も高く、特に食欲不振・悪心・嘔吐・下痢等の胃腸障害で顕著であった。 臨床上重要と考えられる副作用は次のとおりであった。(効能追加時) また、臨床上重要と考えられる副作用の発現時期及び回復期間に関する解析の結果は後述のごとくであった(「臨床成績」の項参照)。 (表2) (併用投与時) 非小細胞肺癌に対する後期臨床第II相試験として行った併用試験(本剤21日間連日経口投与に、シスプラチン60mg/m2を第8日目に投与)において、副作用評価可能症例は55例であり、全例に何らかの副作用が発現した。 臨床上重要と考えられる副作用は次のとおりであった。(効能追加時) (表3) (非小細胞肺癌使用成績調査における間質性肺炎・肺障害の発現頻度) 製造販売後調査において実施した非小細胞肺癌使用成績調査では間質性肺炎は0.7%(11/1669例)、放射線性肺臓炎・呼吸困難・呼吸不全等の肺障害は0.7%(12/1669例)であった。 副作用等発現状況の概要の表
注1:前治療有乳癌症例、膵癌症例及び胆道癌症例を除く
注4:グレード分類は、NCI-CTCで集計 重大な副作用1. 骨髄抑制、溶血性貧血:
汎血球減少、無顆粒球症(症状:発熱、咽頭痛、倦怠感等)、白血球減少、貧血、血小板減少等の重篤な骨髄抑制(頻度上記)、溶血性貧血(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 2. 播種性血管内凝固症候群(DIC):
播種性血管内凝固症候群(DIC)(0.4%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血小板数、血清FDP値、血漿フィブリノゲン濃度等の血液検査に異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 3. 劇症肝炎等の重篤な肝障害(頻度不明)(「警告」の項参照)4. 脱水症状:
激しい下痢があらわれ、脱水症状(頻度不明)まで至ることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、補液等の適切な処置を行うこと。 5. **重篤な腸炎(0.5%):
出血性腸炎、虚血性腸炎、壊死性腸炎等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛・下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 6. 間質性肺炎:
間質性肺炎(0.3%)(初期症状:咳嗽、息切れ、呼吸困難、発熱等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、胸部X線等の検査を行い、ステロイド治療等の適切な処置を行うこと。 7. **,*心筋梗塞、狭心症、不整脈、心不全:
心筋梗塞、狭心症、不整脈(心室頻拍等を含む)、心不全(いずれも頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、胸痛、失神、動悸、心電図異常、息切れ等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 8. 重篤な口内炎、消化管潰瘍、消化管出血、消化管穿孔:
重篤な口内炎(頻度不明)、消化管潰瘍(0.5%)、消化管出血(0.3%)、消化管穿孔(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、腹部X線等の必要な検査を行い、適切な処置を行うこと。 9. 急性腎不全:
急性腎不全等の重篤な腎障害(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 10. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):
皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 11. 白質脳症等を含む精神神経障害:
白質脳症(意識障害、小脳失調、痴呆様症状等を主症状とする)や意識障害、失見当識、傾眠、記憶力低下、錐体外路症状、言語障害、四肢麻痺、歩行障害、尿失禁、知覚障害(いずれも頻度不明)等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。 12. 急性膵炎:
急性膵炎(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血清アミラーゼ値の上昇等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 13. 横紋筋融解症:
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症(頻度不明)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。 14. 嗅覚脱失:
嗅覚障害(0.1%)があらわれ、嗅覚脱失(頻度不明)まで至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 重大な副作用(類薬)**次の副作用はテガフールにおいて報告があるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(1)
肝硬変[プロトロンビン時間延長、アルブミン低下、コリンエステラーゼ低下等] (2)
ネフローゼ症候群 その他の副作用次の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。過敏症があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
前治療有乳癌においては、手足症候群21.8%と副作用発現率が高かった。製造販売後に実施した切除不能又は再発胃癌症例を対象とした臨床試験のTS-1単独投与においては、流涙16.0%と副作用発現率が高かった。 5%以上
白血球減少、好中球減少、血小板減少、赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値減少、リンパ球減少
0.1~5%未満
出血傾向(皮下出血斑、鼻出血、凝固因子異常)、好酸球増多、白血球増多
5%以上
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、ビリルビン上昇、Al-P上昇
0.1~5%未満
黄疸、尿ウロビリノーゲン陽性
0.1~5%未満
BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿、血尿
5%以上
食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、口内炎、味覚異常
0.1~5%未満
腸管閉塞、イレウス、腹痛、腹部膨満感、心窩部痛、胃炎、腹鳴、白色便、便秘、口角炎、口唇炎、舌炎、口渇
5%以上
色素沈着
0.1~5%未満
紅斑、落屑、潮紅、水疱、手足症候群、皮膚潰瘍、皮膚炎、脱毛、爪の異常、爪囲炎、単純疱疹、皮膚の乾燥・荒れ
頻度不明
光線過敏症、DLE様皮疹
5%以上
発疹
0.1~5%未満
そう痒
5%以上
全身倦怠感
0.1~5%未満
しびれ感、頭痛、頭重感、めまい
頻度不明
ふらつき
0.1~5%未満
血圧低下、血圧上昇、心電図異常、レイノー症状
頻度不明
動悸
0.1~5%未満
流涙、結膜炎、角膜炎、角膜びらん、眼痛、視力低下、眼乾燥
頻度不明
角膜潰瘍、涙道閉塞
5%以上
LDH上昇、総蛋白減少、アルブミン低下
0.1~5%未満
発熱、全身熱感、鼻炎、咽頭炎、痰、糖尿、血糖値上昇、浮腫、筋肉痛、CK(CPK)上昇、関節痛、電解質異常(血清ナトリウム上昇、血清ナトリウム低下、血清カリウム上昇、血清カリウム低下、血清カルシウム上昇、血清カルシウム低下、血清クロール上昇、血清クロール低下)、体重減少
頻度不明
血清アミラーゼ値上昇
発現頻度は承認時までの単独投与による臨床試験から算出した。
その他の副作用(類薬)
次の副作用はテガフールにおいて報告があるので、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。 脂肪肝、嚥下困難、耳鳴、興奮、血清尿酸値上昇、女性型乳房 高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下している場合が多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。 妊婦、産婦、授乳婦等への投与1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[テガフール・ウラシルを投与された婦人において奇形を有する児を出産したとの報告がある。また、動物実験で催奇形作用の報告(妊娠ラット及びウサギ(テガフール相当量7mg/kg、1.5mg/kg)の連日経口投与で胎児の内臓異常、骨格異常、化骨遅延等が認められている)がある。] 2.
授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[使用経験がない。動物実験(ラット)で乳汁中移行が報告されている。] 小児等への投与低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。小児等に投与する必要がある場合は性腺に対する影響を考慮し、副作用の発現に特に注意すること。] 適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。] その他の注意1.
本剤を投与した患者に、急性白血病(前白血病相を伴う場合もある)、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告がある。 2.
フルオロウラシルの異化代謝酵素であるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)欠損等の患者がごくまれに存在し、このような患者にフルオロウラシル系薬剤を投与した場合、投与初期に重篤な副作用(口内炎、下痢、血液障害、神経障害等)が発現するとの報告がある。 3.
本剤との因果関係は不明であるが、脳梗塞がみられたとの報告がある。 4.
オテラシルカリウムは過酸状態で分解されやすく(イヌ)、オテラシルカリウムの配合量が少ない場合に消化器毒性軽減効果が減弱する(ラット)ことから、高度の胃内pH低下により下痢が発現しやすくなる可能性が報告されている。 5.
イヌに反復投与した場合に眼球結膜・強膜の色素沈着、角膜の白濁が起こることが報告されている。 薬物動態1. 薬物動態
(1)
ティーエスワン(TS-1)を癌患者12名に32~40mg/m2で食後単回経口投与した後の血漿中濃度から求めた薬物動態パラメーターを表に示す。また、尿中には72時間までに投与量に対しギメラシル(CDHP)52.8%、テガフール(FT)7.8%、オテラシルカリウム(Oxo)2.2%、代謝物であるシアヌル酸(CA)11.4%、フルオロウラシル(5-FU)7.4%が排泄された。 (表4) TS-1を25~200mg/body経口投与した後のFT、CDHP、Oxo及び5-FUのAUC、Cmaxはほぼ用量に依存して上昇した。TS-1を32~40mg/m2で1日2回28日間連日投与時の1、7、14、28日の血漿中濃度を測定した結果、速やかに定常状態に達した。また、連日投与後においても内因性のウラシル(Ura)の減少は速やかであり、CDHPによるDPD阻害は可逆的で、増強作用を示さなかった。1,2) (2)
(参考)TS-1単独あるいは他のフッ化ピリミジン系薬剤併用7日間反復経口投与(ラット)の最終投与2時間後の血漿中5-FU濃度を測定した結果、単独投与に比較して5-FU4.1倍、FT8.1倍、FT・Ura2.8倍、カルモフール5.7倍、ドキシフルリジン6.9倍及びフルシトシン2.3倍の濃度を示すことから、副作用が強くあらわれるおそれがある。3) (3)
(参考)腎障害モデル(ウサギ)にTS-1を投与した場合、腎排泄型であるCDHPのクリアランスが低下し、5-FUの血中濃度の著明な上昇を示すことから、副作用が強くあらわれるおそれがある。4) (4)
薬物動態が詳細に検討された臨床試験症例(臨床薬理試験、膵癌、胆道癌)について、投与前血清クレアチニン値、性別、年齢及び体重からCockcroft-Gault式注)を用いて算出したクレアチニンクリアランス値(Ccr推定値)に基づき腎機能が正常と判断される患者群と軽度腎機能障害と判断される患者群に分けて、それぞれのAUCを示す。)5) (表5) 2. 蛋白結合6)
各配合成分及び5-FUのヒト血清での蛋白結合率はFT49~56%、CDHP32~33%、Oxo7~10%、5-FU17~20%であった(in vitro)。 3. 代謝酵素7)
FTから5-FUへの代謝に関与するヒト肝ミクロゾームのチトクロームP450の分子種としてCYP2A6が主であるとの報告がある(in vitro)。 薬物動態の表
注)Cockcroft-Gault式 Ccr推定値=((140-年齢)×体重(kg))/(72×血清クレアチニン(mg/dL)) (女性の場合はさらに得られた値を0.85倍する) 臨床成績1. 臨床効果(腫瘍縮小効果)
(1) 単独投与時
TS-1(FT80~150mg相当量/日)、1日2回分割経口投与による臨床成績を集計した結果、奏効率は胃癌46.5%(60/129例)8~10)、結腸・直腸癌32.6%(42/129例)8,11,12)、頭頸部癌34.1%(29/85例)13,14)、非小細胞肺癌(未治療例)18.2%(18/99例)15,16)、手術不能又は再発乳癌21.8%(12/55例)17)、膵癌32.2%(19/59例)18,19)、胆道癌(乳頭部癌、胆嚢癌及び肝外胆管癌の化学療法未治療例)30.5%(18/59例)20,21)であった。なお、非小細胞肺癌の前期臨床第II相試験における既治療例16例(化学療法は9例、その他は手術あるいは放射線治療)では奏効例は認められなかった。 (2) 併用投与時
非小細胞肺癌(未治療例)に対する後期臨床第II相試験として行った併用試験(本剤21日間連日経口投与に、シスプラチン60mg/m2を第8日目に投与)における臨床成績を集計した結果、奏効率は47.3%(26/55例)であった。22) 2. 胃癌術後補助化学療法の臨床比較試験
Stage II、IIIの胃癌治癒切除症例を対象とし、TS-1投与(手術後1年間)群(529例)と手術単独群(530例)を比較検討した結果(観察期間の中央値:手術後3.0年)、生存期間のハザード比は0.675(95%信頼区間:0.523-0.871、ログランク検定p=0.0024)で、TS-1投与群は手術単独群と比較して死亡リスクを32%低下させた。手術後3年の生存率は、手術単独群70.1%、TS-1投与群80.5%であった。また、無再発生存期間のハザ-ド比は0.622(95%信頼区間:0.501-0.772、ログランク検定p<0.0001)で、TS-1投与群は手術単独群と比較して再発リスクを38%低下させた。3年無再発生存率は、手術単独群60.1%、TS-1投与群72.2%であった。 なお、割付後の3年生存率は、手術単独群70.1%、TS-1投与群80.1%であり、3年無再発生存率は手術単独群59.6%、TS-1投与群72.2%であった。23) 3. 副作用の発現時期及び回復期間
本剤の投与において重要と考えられた副作用について、胃癌、結腸・直腸癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌(単独投与)、手術不能又は再発乳癌、膵癌及び胆道癌の後期臨床第II相試験の453例を対象として副作用の発現時期に関する解析を行った結果、次のごとくであった。
白血球数3000/mm3未満、ヘモグロビン8g/dL未満又は血小板数7.5×104/mm3未満の基準に至った中で最も低下した臨床検査異常値において、当該クール開始から最低値に至るまでの期間を検討した結果、それぞれの中央値は27日、25日、24日であった。 一方、そのうち上記基準以上へ回復したことを確認できた症例の最低値から回復までの期間を検討した結果、それぞれの中央値は7日、5.5日、6日であった。 (表6) また、臨床所見において薬剤との関連性を重視し、副作用と判定された下痢、発疹、口内炎で初回投与開始から初発までの期間を検討した結果、それぞれの中央値は24.5日、21日、28日であった。 一方、各症状の最高グレードから消失までの期間を検討した結果、それぞれの中央値は9日、14日、13.5日であった。 (表7) 4. 腎障害時の副作用
発売開始から1年間実施した使用成績調査(胃癌)の解析において、投与前血清クレアチニン値、性別、年齢及び体重からCockcroft-Gault式を用いて算出したクレアチニンクリアランス値(Ccr推定値)別に副作用発現率を集計した結果、Ccr推定値低値症例ほど副作用発現率が高く、かつその程度が重度化していた。また、減量(主に1段階)して投与を開始した症例においては、基準量投与開始例に比し副作用発現率が低下していた。
(表8) 臨床成績の表
薬効薬理1. 抗腫瘍効果24~26)
吉田肉腫、腹水肝癌AH-130、佐藤肺癌(ラット)及びSarcoma-180、ルイス肺癌、Colon26(マウス)等の各種皮下移植腫瘍、また、ヒト胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、膵癌、腎癌皮下移植腫瘍(ヌードラットあるいはヌードマウス)に対し、腫瘍増殖抑制効果を示した。また、ルイス肺癌の肺転移モデル及びL5178Yの肝転移モデル(マウス)において延命効果を示し、さらにヒト胃癌及び大腸癌株を同所再建したモデル(ヌードラット)においてもTS-1は腫瘍増殖抑制効果を示した。 2. TS-1の作用機序27~31)
TS-1はFT、CDHP及びOxoの三成分を含有する製剤であり、経口投与後の抗腫瘍効果は体内でFTから徐々に変換される5-FUに基づいている。 CDHPは主として肝に多く分布する5-FU異化代謝酵素のDPDを選択的に拮抗阻害することによって、FTより派生する5-FU濃度を上昇させる。この生体内5-FU濃度の上昇に伴って、腫瘍内では5-FUのリン酸化代謝物である5-フルオロヌクレオチドが高濃度持続し、抗腫瘍効果が増強する。また、Oxoは経口投与により主として消化管組織に分布してorotate phosphoribosyltransferaseを選択的に拮抗阻害し、5-FUから5-フルオロヌクレオチドへの生成を選択的に抑制する。その結果TS-1投与により5-FUの強い抗腫瘍効果を損なうことなく消化器毒性が軽減されると考えられている。 5-FUの作用機序は主として活性代謝物であるFdUMPがdUMPと拮抗し、thymidylate synthase及び還元葉酸とternary complexを形成することによるDNA生合成阻害による。また、FUTPに変換されてRNA機能を障害するともいわれている。 有効成分に関する理化学的知見
テガフール
構造式
一般名 テガフール(Tegafur) 化学名 5-Fluoro-1-[(2RS)-tetrahydrofuran-2-yl]uracil 分子式 C8H9FN2O3 分子量 200.17 融点 166~171℃ 性状 白色の結晶性の粉末である。メタノール又はアセトンにやや溶けやすく、水又はエタノール(95)にやや溶けにくい。希水酸化ナトリウム試液に溶ける。メタノール溶液(1→50)は旋光性を示さない。 ギメラシル
構造式
一般名 ギメラシル(Gimeracil) 化学名 5-Chloro-2,4-dihydroxypyridine 分子式 C5H4ClNO2 分子量 145.54 融点 約262℃(分解) 性状 白色の結晶性の粉末である。水酸化ナトリウム試液又はN,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水に極めて溶けにくい。 オテラシルカリウム
構造式
一般名 オテラシルカリウム(Oteracil Potassium) 化学名 Monopotassium 1,2,3,4-tetrahydro-2,4-dioxo-1,3,5-triazine-6-carboxylate 分子式 C4H2KN3O4 分子量 195.17 融点 300℃以上 性状 白色の結晶性の粉末である。pH8.0リン酸塩緩衝液又は水に溶けにくく、エタノール(99.5)又はメタノールにほとんど溶けない。 承認条件1.
提出された実施計画に基づき、適切な市販後調査(特別調査及び市販後臨床試験)を実施して本剤の血液中濃度変動の要因とその程度に関する情報及び安全性等に関してデータの収集を行い、その結果を速やかに提出すること。
2.
結腸・直腸癌に対する本剤の有効性及び安全性の更なる明確化を目的とした十分なサンプルサイズを持つ無作為化比較試験を実施すること。
3.
非小細胞肺癌に対する本剤と白金含有抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び、安全性並びに当該併用療法の臨床的位置付けを明確にするため、非小細胞肺癌未治療例に対する標準的抗癌剤併用療法を比較対照群として、生存期間を主要評価項目とした第III相無作為化比較試験を実施すること。 包装
ティーエスワン配合カプセルT20 PTP包装:56カプセル(14カプセル×4)、84カプセル(14カプセル×6)、140カプセル(14カプセル×10) |