新的抗精神病药Abilify在美国上市
一种商品名为Abilify(aripiprazole)的新型抗精神病药物获美国FDA批准上市,它是由Bristol-Myers Squibb公司与OtsuKa公司合作开发的,在美国的销售由前者负责。
Abilify与安尉剂对照中PANSS评分,CGI评分等指标优于安慰剂,但未公布是否优于氟哌啶醇或利培酮,在不良反应方面,安慰剂和Abilify在失眠(40%vs43%),震颤(1%vs5%),呕吐(3%vs6%)。
Abilify对多巴胺D2,D3,5HTIA和5HT2A有高度亲和力,对多巴胺D4,5HT2C,5-HT7,21受体和H1受体有中度亲和力。它是多巴胺D2和5-HT1的部分激动剂和5-HT2A的拮抗剂,这也是它的主要作用机制。
Abilify有10mg,15mg,20mg和30mg片剂等几种规格,每天一次,推荐剂量10-15mg/天。
剤形及び規格
- 錠剤(素錠): 3mg, 6mg, 12mg
- 内用液0.1%(分包): 3mL, 6mL, 12mL
- 散剤1%
内用液はオレンジ味で飲みやすいよう工夫がなされている[2]。
作用機序
ドパミン受容体
脳内のドパミン作動性ニューロンが形成する中脳辺縁系および中脳皮質系に作用し、ドパミン刺激を調節する。アリピプラゾールはドパミンの部分アゴニストとしての作用を有する。 部分アゴニストとして作用すると約20~30%の内因性ドパミン活性が低下するという報告がある。 また前シナプスのドパミン自己調節受容体にも結合し、前シナプスにおいてドパミン放出量を調節する作用を有する。
このためドパミンシステムスタビライザー(DSS)ともいわれる。
ドパミンが不足している前頭前皮質ではこれを増量させて感情表出能力や無為・自閉などの陰性症状を改善し、またドパミンが過剰に作用している中脳辺縁系ではこれを減少させて幻覚、妄想などの陽性症状を改善する。
また、適度なドパミン活性があるために側座核に作用することで快楽消失などを伴わず、統合失調症患者の物質濫用を防ぐことができる。
セロトニン(5-HT)受容体
5-HT1A部分アゴニスト
同じ抗精神病薬でSDAに分類されるペロスピロンや抗不安薬であるタンドスピロンと同じ5-HT1A受容体の部分アゴニストでもあり[3]、タンドスピロンが抗うつ作用や抗不安作用を示すことから、アリピプラゾールも同様の効果を発現するとされる。
5-HT1A部分アゴニストは前頭前皮質の血流を改善し、認知機能の向上も期待される[4]。
また、タンドスピロンによって、EPSや攻撃性、妄想が軽減したとの報告があり、同様にアリピプラゾールもそのような効果は発現するとされる。
この5-HT1A受容体を介した薬理作用から、ドパミン・セロトニンシステムスタビライザーと呼ばれることがある[3]。
5-HT2Aアンタゴニスト
また、5-HT2A受容体のアンタゴニストとしても高い親和性を有することから、錐体外路症状(EPS)の発現を抑えることが報告されている。 これらのドパミン及びセロトニンを介した機序から、陽性・陰性症状の改善と安定化や、従来の定型及び非定型抗精神病薬の副作用であった錐体外路症状をアリピプラゾールは発現しにくいという特徴をもつ。
このように、脳内ドパミンシステムにおいては他の抗精神病薬と比較して、有意な特異的作用を有している。 だが、2010年現在の日本では統合失調症急性期の薬物療法のファーストチョイスとしてリスペリドンやオランザピンが使われることが多い、しかし、アリピプラゾールが統合失調症急性期にファーストチョイスとして使用されることも多くなってきた。[要出典]
またアリピプラゾールは再発率も他の抗精神病薬より低く神経保護作用もあることから統合失調症から神経細胞の脱落を防ぐことができると考える。
アリピプラゾールの秀でた点は、代謝系や鎮静系に関する受容体への親和性が極めて低いことで、これにより患者のコンプライアンスは著しく向上する。
しかし、これまでの抗精神病薬ではあまり見られなかった投与初期の不眠や激越、アカシジアなどの副作用が目立つようになった[5]。
また、抑うつ状態に対し、抗うつ薬があまり有効でない場合、少量のアリピプラゾールを加えることによって抗うつ効果を増強させることができる症例も報告され、実際の医療現場でも応用されている。
禁忌・注意
- 糖尿病またはその危険因子のある者は糖尿病性ケトアシドーシスや糖尿病性昏睡などが起こる可能性があるため、高血糖の症状に十分注意する。特に喉の渇き、多尿、多食、脱力感などがあった場合は直ちに医師に相談すること。
- バルビツール酸誘導体等の強い影響下にある者は投与できない。
- エピネフリンを服用中の者は血圧降下作用が増強する可能性があるため、注意すること。
- 肝障害のある者は悪化させる場合があるため、慎重に服用すること。
- 眠気、集中力の低下などが起こる場合があるが(添付文書によると傾眠の副作用は1〜5%未満)、その他の統合失調治療薬と比較すると軽度である(むしろ、アリピプラゾールは前頭葉におけるドーパミン系の活性化により、認知機能を改善する効果が知られている)。